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(7) 実験手順

実験は以下の手順で行った。

(a) 概要説明

実験場の近くの控え室で概要を説明した。このときの靴の寸法などを測定した。

(b) ブロックの観察

屋外の実験場において、手、足、白杖で実験用ブロックの形状を十分に観察し、把握してもらった。その後、実験概要を再度説明し、ブロック周知度調査の一部を実施した。

(c) 練習

実験の内容が理解されているかどうかを確認するために練習を行った。最初に白杖を使い誘導ブロックを使う条件を練習し、次に白杖を持たずに誘導ブロックを使う条件を練習した。ほとんどの被験者は、それぞれの条件について1回ずつ歩行して練習を終了したが、実験のやり方を十分に理解していないと思われた場合は繰り返し練習した。練習では歩行だけでなく、内省報告(試行終了後にブロックを発見したときの状況を省みて言葉で報告する。内容は3.2.5(7)(d)4]参照)の応答方法についても本試行と同様に練習した。

(d) 実験1 本試行

実験1は以下の手順で進めた。ここでは基本的な流れを示し、条件毎の特記事項は後述する。

1] 実験指揮係(実験者の役割分担と名称は3.2.5(8)(b)1]参照)の案内で被験者は各試番のスタート地点に移動し、その場所で両足をそろえて立ち、実験指揮係の合図を待った。

2] 実験指揮係の「よーい、スタート」の合図で、被験者はホーム縁端を知らせるブロックに向かって歩き始め、ブロックに直交進入した。

3] 被験者がブロックを踏んだり、白杖で見つけたり、ブロックがなくなったりしてホームの端に来たと思ったところで直ちに停止してもらった。ホーム縁端を知らせるブロックがないコースを歩く場合には、被験者停止係に停止させられるまで歩き続けてもらった。

4] 停止したら足の位置を変えずにしばらくそのままの位置で待機してもらった。この間に測定・記録係が停止に要した距離を測定し、測定終了後、測定・記録係が被験者に対して停止した理由を聴取した。このとき、被験者には「どちらの足で何に気づいたか」というレベルで回答してもらった。被験者が踏んだブロックの種類を識別できているかどうか不明確な回答をした場合、踏んだブロックの種別に関する追加質問はしなかった。その理由は、追加質問することが、それ以降の試行に影響を及ぼす懸念があったためである。停止できなかった試行と停止不要条件の試行では、被験者が被験者停止係に停止させられた後に停止しなかった理由を聴取した。

 

 

 

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