一部の機種では手動プロット用のスイッチがあり、カーソルの位置を記憶させたい位置に移動させ、そこでスイッチを操作するとその点が記憶され目印をつけることができる。
電子プロット(EPA)として、電子的に手動でターゲットの位置を指定する操作は昔と同様だが、計算は自動的に行われる機能がある。操作は、カーソルをターゲットの映像上に合わせて捕捉キーを押し、次に番号キーを操作してターゲット番号を指定するように行う。この操作を一定時間間隔で繰り返すことで自動的に針路や速度が計算され、ターゲット番号を指定するとプロットデータが数値で表示される。最大10個の物標をプロットできる。
他船の映像を自動的に捕捉してプロットする装置(ARPA)については第6章でまとめられている。
5・6 レーダー・パフォーマンス・モニタ
この装置はレーダーアンテナの近くに設置し、マグネトロンの劣化や受信感度の低下等を検査・監視する用途に使用される。また、レーダー・アンテナのふく射面への結露、降雪、氷結、アンテナふく射面へのペンキ塗布の過ち、導波管内部への水の侵入やケーブルの状態等による送受信性能の劣化も判断できる。この装置は、図5・12に示すようにレーダー本体とは離して設置し、レーダー送受信機の送信出力の低下状況の監視と受信回路の受信感度の状態を判断するための極微弱なマイクロ波を送信する機能を持っている。