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LATCHは変換結果を一時的に記憶させるもので、変換指令信号(CONVERT)に同期して作動する。NMINV、NLINV はデジタル変換された2進数のコードを変更する場合のものである。

 

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図4・53 nビットのシフトレジスタ

 

このような処理をした信号は一次メモリに送られるが、この一次メモリには、シフトレジスタと呼ばれるメモリの一種が使われる。シフトレジスタというのは図4・53に示すメモリが横一列に並んでいて、クロック信号というところにパルスが一つ入ると、nのところの内容がn-1のところにというように、右向きにその内容(1又は0)が一枠ずつ移動して、入力からnの枠に新しいデータが一つ入るとともに、1の内容は出力となって出ていくわけである。例えば、クロックパルスの周波数を10MHzとすると、クロックパルスの間隔は0.1μsなので、エコーは自船から15m間隔で、かつ、0と1の形で右から左へ並ぶことになる。2ビットのデジタル化をしたときには、このシフトレジスタを2個並列に使用して、1けた目と2けた目の0と1を別々に処理をする。こうして、1回のパルス送信後の受信エコーの強さは、2ビットのデジタル化の場合は図4・54に示すような形に整理をされる。ここで、S11、S12…S1n、S21、S22…S2n、はアドレスと呼ばれる。

 

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図4・54 エコー信号のデジタル化

 

二次メモリは、レーダーのPPIの映像面のデーターを一画面そっくり記録する2次元配列のメモリであり、その数はデジタル化を何ビットで行うかによって変わるが、1ビット分をCRTの一画面分について縦(Y)方向と横(X)方向に分けた番地(アドレス)を示すと図4・55のようになる。標準型テレビの走査線の数は上下に512本あるので、この二次メモリの番地は大略(260,000×一画素当たりのビット数)が必要となる。

 

 

 

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