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3・4 マイクロ波集積回路(MIC)

数年前までは、レーダーのような高周波領域で使える、雑音の小さい、信頼性の高い、価格も適当な、高周波増幅器に適した半導体素子は存在せず、Sバンドのような周波数の低いレーダーを除いては、マイクロ波帯の高周波増幅器は採用されていなかった。しかし、近年になってガリウム砒素FETが開発され、Xバンド用として、信頼性や価格についても船舶用のレーダーの使用に耐えられるようになった。

従来の周波数変換部は局部発振器にガンダイオードを、混合器にはシリコンのミキサーダイオードを用い、また、これらを接続するための導波管で構成された立体回路を用いていた。

この周波数変換部の、ガン発振器の代わりにガリウム砒素FETの発振器を、カートリッジタイプのミキサーダイオードの代わりにペレットタイプのミキサーダイオードを、導波管の立体回路の代わりにアルミナ基板上に形成したストリップラインによってこれらを接続し、全体を集積化したものを「マイクロ波集積回路(MIC)」と呼び、高周波増幅器を組み込みながら、従来の立体回路系のものよりも小型化されている。

 

写真3・1 MICの実装例

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