付録2 (2・5)式のAs及びAeの証明
第2・3図より、{Re+(Hs−As)}2=Re2+R12であって、
Re2+2・(Hs−As)・Re+(Hs−As)2=Re2+R12となる。
Reは地球の電波的等価半径であって、6371229.3m×4/3で与えられ、
(Hs−As)2はこれに比べて非常に小さいので無視すれば、
Re2+2・(Hs−As)・Re=Re2+R12となる。
これを整理して、2・(Hs−As)・Re=R12を得る。
一方、R1≒R・{Hs/(Hs+He)}、R2≒R・{He/(Hs+He)}であったから、これを代入すれば
2・(Hs−As)・Re=R2・{Hs/(Hs+He)}2となり、
As=Hs−(R2・Hs2)/{2・Re・(Hs+He)2}を得る。
同様にして、
Ae=He−(R2・He2)/{2・Re・(Hs+He)2}が得られるのである。
2・7 特殊な映像
レーダーは電波の眼といわれているように物標の検知に電波を使っているから、電波を反射する物標があれば海面の波でも雨でもすべてレーダーの画面に現れて、陸地や他船という航海上必要な映像を乱したり隠したりする。また、反射の強い部分だけが現れて、実態と異なる形を見せて惑わすことも多い。次にこれらの映像について、実際にそこに物があって、それが惑わすもとになるような場合を誤りやすい映像として2・7・1に説明し、そこにはなにも物標がないにもかかわらず、映像が現れる場合を偽像として2・7・2に説明することとする。
2・7・1 誤りやすい映像
(1) 海面反射
海面が波立っているときは海面からの反射があり、その中にいる小舟の反射を隠してしまう。また、海面反射と漁船の群れとの区別もつかなくなる。
(2) 雨雪反射
雨の降っている区域は、雨が弱いときはボーッと雲のように見え、雨が強くなると、はっきりとした島のような映像ができる。しかし、これらの雨の映像はよく見ているとその場所が移ってくるし、形状も変化するので大体判別することができる。ただ、この雨域を通り抜けた電波は弱くなり、普通だったら映像として現れる船等の映像が現れなくなることもあるので注意が必要である。