となるのでSを切り替えると測定レンジを替えられる。しかし、Sを切り替えるとメータの応答性が変化して指針の動き速度が変化する欠点がある。これを解決したのが(b)の万能分流器である。Sの値は変えないで、Sの途中から電流端子を接続する。端子の位置をSの左からS/n、右から(S−S/n)の位置とすると
I=(nm)ig (5・19)
となり、m倍からさらにnm倍にレンジが拡大される。Sを一定として端子の位置nを切り替えることから指針の速度が変わらないでレンジ切り替えができる。
5・4・4 交流計器の波形誤差
可動コイル型電流計と整流器を組み合わせると交流の電流および電圧が測定できるがコイルを駆動する力は交流の平均値である。通常、交流は実効値で取り扱われる。家庭用の100V電流は実効値100Vの交流である。このためメータの目盛りを実効値に変換してある。最大値Vpの交流の実効値と平均値との比を波形率と呼ぶ。