スターデルタ始動と異り、コンドルファ始動はリアクトル始動と同じく減電圧から全電圧に切替える時にも電動機の電源電圧が途切れることがないのでスターデルタ始動のようにスターからデルタに切替える際発生する突入電流が生じないと言う利点がある。
以上のようにコンドルファ始動方式は始動電流の抑制特性が良好なこと及び全電圧切替時に突入電流が生じないという長所を持っている。
(b) 巻線形誘導電動機
巻線形誘導電動機の始動には、二次側に抵抗器を接続し、タイマーあるいは電流リレーを使って順次抵抗を短絡する方法をとるが、この方法は始動トルクを大きくするとともに始動電流を制限したい場合に効果がある。
(3) 電動機の始動方法の選定
かご形誘導電動機の始動方法としては、経済性などの点から出来る限り全電圧始動とすることが望ましいが、大形電動機で全電圧始動が懸念される場合には、次の項目について検討し問題なければ全電圧始動とし、いずれかに不具合がある場合にはスターデルタ始動、リアクトル始動又はコンドルファ始動の中から負荷の始動特性に適した始動方法を選定する必要がある。
(a) 瞬時電圧降下
(b) 発電機容量
(c) 原動機容量
なお、バウスラスタなどの特別な大形電動機が装備される場合を除いては、一般には瞬時電圧降下の検討のみを行えばよい。
(a) 瞬時電圧降下
電動機始動時の発電機の瞬時電圧降下を次の式で計算しその値が15%を超える場合には全電圧始動とはしないのが一般的である。