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図2.22 コンドルファ始動回路モデル図

 

コンドルファ始動方式の場合は始動電流及び始動トルクとも全電圧始動の場合の値にタップ値の2乗を乗じた値となる。従って例えばタップ値を65[%]とした場合には始動電流、始動トルクとも全電圧始動時の約42[%]となる。

従って、リアクトルの始動方式に比較して同じトルクの低下における始動電流の抑制特性は良好であると言うことが出来る。

コンドルファ始動の場合始動電流始動トルクとも全電圧始動の場合の値にタップ値の2乗を乗じた値となる理由は次のとおりである。

コンドルファ始動は前述の通り単巻線変圧器の中間タップを通して電動機にかかる電圧を抑えて始動する方式であるから簡単のために始動時の等価回路を単相で表すと図24のようになる。(ただしχはタップ値[%]を示す。)

 

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図2.23 コンドルファ始動時の単相等価回路

 

図2.23において単巻変圧器の1次側と2次側の電圧及び電流の関係は変圧器の原理から次のようになる。

V・I1=(χ/100)V・I2…(式26)

従って、

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一方全電圧の場合の始動電流をI0とすると単巻変圧器の2次側の電圧は全電圧のχ[%]となっているのであるからI2もI0のχ[%]とならなければならない。

従って、

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(式28)を(式27)に代入すると

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従って、始動電流は全電圧の場合のχ2[%]を乗じた値となることが解った。

また(式28)で示される様に電動機の巻線電流は全電圧の場合のχ[%]となり、電動機のトルクは巻線電流の2乗に比例することから始動トルクも全電圧の場合の値にχ2[%]を乗じた値となることが解る。

 

 

 

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