短時間定格の電動機
主機回転装置、工作機械、天井クレーン、舷梯ウインチ、救命艇ウインチ、エレベーター、ダムウエーター、糧食用クレーン、かじ取機
反復定格の電動機
荷役装置
なお、反復定格の表し方は一般に負荷時間率(%ED表示)が使用されるが、これは1回の負荷時間と1周期の時間との比を%で表したもので、特に指定しない場合は1周期の時間は10分とされる。
またJEC37(誘導機)によれば短時間定格の標準値は5分、10分、15分、30分、1時間及び2時間の6種類があり、%EDの標準値は15%、25%、40%及び60%の4種類がある。
従って、短時間又は反復使用される負荷の使用状態(使用時間)を考慮のうえこれらの標準値の中から適当な値を選べばよい。
電動機の絶縁は従来E種が多く用いられてきたが、その間に、技術の進歩とその応用による小形軽量化は世界的すう勢となり、絶縁材料の進歩によるB種・F種絶縁の採用が標準的となってきた。
このような状況のもとで、JEM1277(船用低圧三相誘導電動機)が1984年に改正されるとともにJEM1410(船用低圧三相かご形誘導電動機の寸法)が新規に作成され、絶縁も電動機の枠番により下記のごとくE種、B種及びF種が併用されるよう規定された。
しかし、これに対する各メーカーの対応は必ずしも同じではなく、全機種をF種で統一するメーカーもあれば、B種とF種のみの併用で対応するメーカーもあるので、メーカーによってその都度絶縁を確認する必要があるが、いずれにしても、E種の時代からB種及びF種の時代へ移ったといえる。
また、実際に電動機を装備する場所の周囲温度が本船に適用する規則で定められた値よりも高い場合には電動機へ全負荷を掛けた場合の電動機各部の温度が規則で許された値を超えないように温度上昇を抑えるように設計された電動機を選定するように注意しなければならない。
電動機の外被は、暴露部へ装備される場合全閉防水形を使用する以外は、一般に価格の面から防滴形を使用するが例えば機関室の床下のように水分や油分が多い環境条件の良くない場所に装備する電動機は全閉外扇形又は防水形を使用するのが望ましい。