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配電方式は一般に船体帰路方式は認められず、絶縁式である。

配電方式には定電圧方式と定電流方式があるが、後者はほとんど採用されない。また、分岐方式には樹枝状式と環状式があるが、前者が広く採用される。

 

(a) 樹枝状配電方式

図2.3に示すように母線から配電線が樹枝状に分布している方式であり、特徴としては次の諸点が挙げられる。

 

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図2.3 樹枝状配電方式

 

(i) 電線使用量が少ない。

(ii) 保護装置の数が少ないので保守が容易である。

(iii) 負荷の増設が簡単である。

(iv) 設備費が安い。

しかしながら、図2.3の例では、配線用遮断器がa、b、cと縦続接続されているが、この場合、aとb、bとcの保護協調は一般にとりにくいから、遮断器メーカーにこの点照会する必要があろう。

 

(b) 環状配電方式

環状配電方式は図2.4に示すように、母線を環状に配置し、遮断器や補助配電盤などを適当に配置して、これから給電する方式で信頼度が高いので大型船などで採用される。

この方式の特徴としては、次の諸点が挙げられる。

 

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図2.4 環状配電方式

 

(i) 樹枝状配電方式に比べて信頼度が高い。

(ii) 電圧変動や電力損失が少ない。

(iii) 保守が複雑。

(iv) 樹枝状配電方式に比べて設備費が高い。

 

(3) 重要な設備(負荷)

船の重要な設備とは一般に船の安全性および居住性に直接関係ある設備であり、これらの設備に対しては、本船に適用する規則により、配電、回路の保護などの面においても種々の要求があるので、この点充分注意して設計しなければならない。

重要な設備の範囲は適用する規則により具体的には若干異るが、船舶設備規程で規定している重要な設備を次に示す。

 

 

 

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