10 船内保安
船内保安は艤装工事着手前に心得として、記憶実施すべきものであるが、編集の都合上末尾に加えた。
10・1 一般安全心得
(1) 明るい気持で作業すること。
(2) 服装は身体に合ったものを着用し、不必要のものは身につけぬこと。
(3) 機械及び工具類は作業前に必らず点検すること。
(4) 薄い服を着て、汗ばんだ身体のときの作業は、感電の危険に注意すること。
(5) 危険標識・危険信号はよく守り、未知の機械には絶対に手をふれぬこと。
(6) 作業中は常に清掃、整頓に心掛け、通路には物を積んだり、置いたりしないこと。
(7) 工事中、船内には足場、仮設備、工事材料等が非常に混雑して危険であるから、常にこれらに注意すること。
(8) 危険なところは歩かず、定められた通路を歩くこと。
(9) 火災、その他非常災害時にあっては、あわてることなく秩序正しく、避難すること。
(10) 高所では安全帯着用を励行すること、又、物を落とさぬよう注意すること。
10・2 火災予防
船内では、溶接工事が行われ、可燃材料が取扱われたり、また、置かれたりしているので、火災予防については特に次のとおり注意をしなければならない。
(1) 船内各所の消火器、砂袋並びにその使用法を熟知しておくこと。
(2) 電気火災の場合は消火器は乾性薬品系、炭酸ガス系、四塩化炭素系で消火に努める。決して泡沫型、ソーダ酸系及び海水等の液体を掛けてはならない。
(3) 作業中は絶対に喫煙しないこと。
(4) 引火性材料(例えば揮発油、油布等)、発火性の物、例えば気中遮断器、開閉器抵抗器等火花を発する恐れのあるもの及び工事中に電気溶接機等を取扱うときは、特に火気や火花に注意すること。
(5) 終業時には跡片づけを良くし、特に火気の始末を厳重にしてから、退場すること。
10・3 電気機器の取扱い及び電気工事心得
10・3・1 電気機器の取扱い心得
(1) ぬれた手又はぬれた手袋で操作せぬこと。
(2) 不用意に金属製工具、懐中電灯などで、生きた回路(例えば母線など。)を点検し、これに誤って、触れないようにすること。
(3) 故障修理、部品取換えは電気機器の電源を“開”の位置で行うようにすること。