9 船内試験
9・1 係留中の船内試験
電気艤装工事完了後、工事が仕様書どおり、全般にわたって、満足に施工されているかを調査する目的で、各装置につきそれぞれ関係者立会のもとで、予め定められた試験方案に基づいて行われる。このとき試験成績用紙を準備し、装置に計器類を接続して、試験記録を用紙に記入し、後日の試験判定に役立たせる。
試験結果不具合の場合は、改造、新規手配などの必要性も生じうるので、十分期間的に余裕をもって、早目に試験するように心掛ける。
一般的な試験項目は以下の通りである。
(1) 発電機及び付属装置試験
(2) 各補機用電動機の試験
(3) 変圧器、蓄電池及び付属装置試験
(4) 照明電灯、船灯、信号灯、扇風機等の試験
(5) 電熱装置
(6) 通信器・計測制御、航法装置等の試験
(7) 電路、分電箱、区電箱等の試験
(8) 蓄電池充放電盤試験
(9) 無線設備の検査
この検査は、海上人命安全条約、船舶安全法及び電波法その他関連諸規則に規定された無線設備の適用、性能等について、それぞれの規定を満足していることを確認するために行われる。船舶安全法、電波法及び関連諸規則が改正され、平成4年2月1日から新しい無線通信システム(GMDSS)が導入されているが、これらの無線設備の検査については、船舶検査の方法、新無線通信システム(GMDSS航海用具社内装備・整備標準)((社)日本船舶電装協会)及び電波監理局の指示に従って行わなければならない。
9・2 海上運転中の船内試験
係留中に試験を行うことができない種目は、海上運転中行われる。その内容は主機関用補機、操舵装置、ウインドラス、キャプスタン、航法装置、無線方位測定機の誤差修正曲線の作成等、これに類似するものである。