4・9・14 ロランC受信機
長い基線の陸上局(主局、従局)から同期して、送信される無線電波(周波数100KHzの長波)の到達時間差或は搬送波の位相差を測定し、専用のロランチャートを使用して、船位を決定する双曲線航法方式をいう。
なお、現状では、一般商船には(船主からの特別な設置要望がない限り)設置しないが、漁船では、まだ、かなり利用されている。
4・9・16 G.P.S.衛星航法システム(global positionning system)
米国で開発されたもので、合計24個の衛星を使い、高精度の三次元測位が可能となる。
GPSの測位精度は100m前後であるが、更に高精度の測位を得るため、DGPS (Differential GPS)が開発された。DGPSの精度は10m前後である。
4・9・17 航海用レーダー(marine radar)※
電波の連続性、定速度性及び反射を利用して、海上の障害物、他船、陸岸等を探知し、それらの位置及び自船からの方向並びに距離をブラウン管上にPPI方式(plane position indicator)又はラスタースキャン方式(Raster scan)で映像として表示するもので、次のような指示方式がある。
(1) トルーモーションレーダー(true motion radar) レーダーの映像面に自船の動きをそのまま表示するように構成した航海用レーダーをいう。
(2) リラティブ モーションレーダー(relative motion radar) レーダーの映像面に自船を定点として、まわりの他船や海岸等との相対位置を表示するように構成した航海用レーダーをいう。
4・9・18 プロッティング設備※
従来は光学プロッターを使用して、レーダー表示面上で他船の動きをプロッティングしていたが、現在では電子プロッターの機能がレーダーに組み込まれている。本設備は、レーダー画面上の映像を一定時間間隔でマークすると、その物標の動向をベクトル又は数値データで表示する。
なお、将来設備のための電子プロッティング機能(EPA: Electronic Plotting Aid)と自動追尾機能(ATA: Automatic Tracking Aid)に関する性能基準がIMOで審議されている。
4・9・19 自動衝突予防援助装置※
目標船(又は障害物)との衝突を防ぐため、レーダーからの入力信号によって目標船の相対方位、距離、速度、進路等を算出して、ブラウン管上にベクトル又は航跡の形で表示し、同時にこれと自船の進路と速度から、最接近距離(CPA)と最接近点到着時間(TCPA)とを計算して、あらかじめ設定したCPA及びTCPAに自船が接近する恐れがあるときは、危険警報を発して衝突予防を援助する装置である。