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(1) えい航式ログ 船尾からロープによって引航されたロテータ(回転子で一種のスクリュープロペラ)の回転数から航程を積算する装置である。

(2) 電磁ログ 船底から突出した測定桿による磁界が海水を切るとき、相対速度に比例して生ずる起電力により、船の速さと航程を測定する装置である。

(3) ドプラログ (doppler log) 水中における超音波のドプラ効果を利用し、船の前後方向の対地又は対水の速度及び航程を測定する装置である。

注:ドプラ効果とは、観測者が音源に近づきつつあるとき、音の周波数は高く聞こえ、逆に遠ざかりつつあるときには、周波数が低く聞こえるという現象をいう。

 

4・9・9 音響測深機・魚群探知機

(1) 音響測深機 送受波器(transducer)を船底に設ける。発振器から高周波の電流を発振、送波器に送る。ここで電気ひずみ(1)、又は磁気ひずみ(2)、現象により水中音波に変換された超音波は海底から反射音波となって送受波器に帰る。ここで、これは高周波電流に変換され、かつ、その間の伝播速度から水深と状況等が記録装置に記録される。

注:(1) 電気ひずみ材料は一般にチタン酸バリウム又はチタン酸ジルコン酸鉛(PzT)磁器であって、200KHz位の周波数が用いられる。

(2) 磁気ひずみ材料はニッケル、アルフェロ、フェライトであって10〜50KHz位の周波数が用いられる。

(2) 魚群探知機 前記(2)の原理を利用したもので、海底までの音波の進行中、途中に魚影があれば、それらの反射音をとらえることができ、これを記録装置に画くようにしたものである。魚類など対象物が小さい場合は周波数の高い方が有利である。

 

4・9・10 ソナー(sonar)

船の水中における、全周囲にわたって目標物の方向と距離を測定するもので、ブラウン管上に画くものと記録用紙を用いる場合とがある。

 

4・9・11 ドプラソナー(doppler sonar)

水中における超音波のドプラ効果を利用し、船の前後方向及び左右方向の対地又は対水速度を測定する装置である。

 

4・9・12 無線方位測定機(方向探知機)

無線局又は電波を発信する物標の方向を決定するため、わく形空中線の指向性を垂直アンテナ又は直交のわく形空中線との組合わせによって、電波到来方向及び方位を測定する装置である。

 

4・9・13 ホーミング設備

通常の無線方位測定機に、無線電話用の国際遭難周波数2182KHz及び2091KHzが受信でき、かつ、方位が測定できるように、遭難船の方位を知るために機能を追加したものである。

2MHz帯の電波の場合には船舶の構造物により全周(360°)にわたって方位測定は十分の精度が得られないため、ホーミングと称し、この測定範囲を船首方向の両側面それぞれ30度以内に限定している。

 

 

 

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