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(e) 始動法、始動器

電動機始動時の始動電流は、誘導電動機では、かご形電動機で直接始動の場合は6〜7倍位、減電圧始動器を使用したもので3倍位となるので、始動電流による電圧降下に注意する必要がある。始動電流が発電機容量に比べて割合に大きい場合は主に次のものが用いられる。

(i) かご形誘導電動機

星形三角開閉器による方法(Y−△始動器)

始動補償器による方法(コンドルファ始動器)

(ii) 巻線形誘導電動機

始動抵抗による方法(始動抵抗器)

(詳細は電気機器編参照のこと。)

(f) 速度制御法

(i) 滑り制御 巻線形誘導電動機の回転子抵抗を使用する方法

(ii) 周波数制御

(iii) 極数変換制御。

(g) シンクロ電機(セルシン電動機)

巻線形誘導電動機の構造に似ている。図4・12のように回転子に単相交流電源を加え、固定子は三相交流巻線にしてある。今A機(発信機)の回転子をα角だけ回転すれば、それに従ってB機(受信機)の回転子もα角だけ追従して回転して止まる。この性質を利用して、舵角指示器、エンジンテレグラフ、遠隔制御に使用する遠隔指示器等に多く使用される。以上計器類が主であるが、この始動トルクを大にした動力シンクロとして使用する場合もある。

 

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図4・12 シンクロ電気結線図

 

(2) 単相誘導電動機

この電動機は静止状態では始動回転力(トルク)は零である。これを始動する一例として扇風機のように、図4・13のような結線とコンデンサを使用して始動させれば、その後は回転を続けることができる。

 

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図4・13

 

 

 

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