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一般に誘導電動機の全負荷速度をn(S-1)とするとき回転磁界の同期速度nsとの差Ns−nとnsとの比sを滑り(slip)という。滑りsは1より小であるから一般に百分率で表わされる。

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ns−n=sns(S-1)

回転子速度 n=(1−s)ns(S-1)

全負荷滑りは定格出力1kW以下で10〜7%、2kW〜50kWで6〜4%、50kW以上で4〜2%位である。

(c) 巻線形誘導電動機

電動機の回転子を巻線形にして、巻線を施したものである。始動の際は、始動回転力を出すために抵抗を入れて始動し、定格回転数になれば、この抵抗を短絡する。また、この抵抗器を使用して速度制御をすることができる。

(d) かご形誘導電動機

 

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図4・11 かご形誘導電動機回転子

 

回転子の構造が、りすのかごの形をしている。その銅棒の形状には図4・11の(b)、(c)、(d)の3種があり両側を短絡環で接続され、その中間は鉄心(コア)である。図4・11の(d)は普通かご形で一般に使用されているが、船舶のように始動電流を少なくまた始動回転力(スターティングトルク)を大きくするものには図4・11の(b)、(c)の特殊かご形が使用される。

 

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注:全負荷時を100とする。

 

深溝かご形は高速機(2POLE)の始動特性改善の目的で用いられることがあり、二重かご形に比べ、始動特性はやや劣るが効率等が優れている。

 

 

 

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