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したがって、この方式は、平穏な海域を常用出力で安定航海している場合に使用されるのが原則で、荒天航海、出入港、減速運転などの場合には、船内の他の発電機を使用しなければならない。

可変ピッチプロペラ(CPP)を装備した船の場合には、上述の欠点も改善されるが、平穏な海域の航行中で軸発電機の出力周波数の変動が許容値以内に収まっていても、他のディーゼル発電機等との安定した負荷分担は得難いので、連続平行運転はCPPの場合でも行わないのが普通である。

 

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図4・5 定周波装置を装備しない軸発電機

 

(b) 定周波装置を装備した軸発電機

(a)の方式の欠点を補うため、軸発電機に定周波装置を装備した方式がある。この定周波装置にも種々あるが、代表的なものとしては、M-Gセット(電動発電機セット)を用いたもの、サイリスタインバータを用いたもの、及び電磁カップリングなどの回転数変換装置を用いたもの、などがある。

この中で、サイリスタインバータを用いた軸発電機の例を以下に示す。図4・6に示されているものは、他励式インバータ方式の例で、軸発電機の交流出力を整流器により一度直流に変換し、その後この直流をサイリスタインバータによって再度交流に変換し、船内電源として供給するものである。同期調相機は、他励式インバータであるために必要となってくるもので、システムの出力電圧及び出力周波数はこの同期調相機の電圧及び回転数によって決まる。

 

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図4・6 サイリスタインバータを用いた軸発電機

 

 

 

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