資料にもありましたが、IMarEのYMEも若手会員のネットワーク活動がうたい文句になっています。そういう意味でいきますと、今回のように異業種の若手が数名集まって、ひとつの小さなネットワークができ上がる、核ができる。そういったグループが海外を訪問して、また海外とのネットワークができる。ネットワークが国内だけにとどまらずに海外まで広げるという点で、やはり海外派遣というのは非常に重要なのか、YMEの今後としても大きな柱として続けていかなければいけないのではないか。特に学会の今後の国際化を考えると、ある意味では国際シンポジウムは上のほうから、と言うと語弊がございますが、逆にボトムの若手のほうからの国際化という点でも重要な話になるのかなと思います。
3.3 フロア参加者からの意見と感想
司会 今回の派遣の感想、そして今回の派遣を踏まえた今後のあり方についてご意見を伺ってきたわけですが、この辺で会場の方から少しご意見等を頂ければと思います。派遣についてでも結構ですし、YMEということについてでも結構です。或いは前半の部の派遣報告についてでも結構ですが、会場の方からコメント、ご意見等ございませんでしょうか。
今井 お話を伺い、私は大変心強く感じました。訪問先もよかったと思いますし、タイトなスケジュールの中で非常によく見てこられ、向こうの人達と交流を深めたということは大変結構だったと思います。是非今後とも続けて頂きたいと思います。
IMarEの写真も出ておりましたが、私が当学会の会長をさせて頂きました16、7年前、1984年にIMarEの提案で船の学会の集まりがありました。それはアムネス会議というものでしたが、13の世界の造船とか機関の学会がIMarEに集まりまして、ちょうど私も出席させて頂いたのですがそのことを思い出しました。IMarEはとにかく規模からいいまして当学会とも大分格段に違いますけれども、よく見習って当学会の発展を図る、これは是非必要だと思います。
昨年10月、アメリカのボルチモアでSNAMEのミーティングに出席したのですが、SNAMEでは専ら学生を対象にして講演といいますか講義をやってまして、造船関係の講義をずっと一日中、並行して機関関係の講義をやっておりました。近くのバージニア大学の単位も取れる様なことをやっておりました。SNAMEも若い人達に対して一生懸命やろうという意欲が感じられた次第です。
先ほどバルチラを見学された感想やご意見を聞かせて頂きましたが、ADDのエンジンも運輸省の技術研究組合で一生懸命やられている。私も技術研究組合の顧問委員会に関係しておりましたので、今後ぜひ発展していって欲しいと思ってます。馬力当たりのウエイトなどを比較してみますと、格段にADDがいいと思いますし、今後、実績を積んでもっと発展していって欲しいと思っております。
司会 どうも有難うございます。特にSNAMEの講演会の際に、前日に学生に対するレクチャーの日がある、こういったあたりは、MESJのYMEも派遣だけではなくて、例えば学会としてYMEにできること、メーカーの若い方あるいは大学の学生、そういった方に対する教育も必要なのではないかという様な、ひとつのご忠告とも受け取れるかと思います。その他に如何でしょうか。
伊藤 今日は2つの目的があってこの会に参加しました。1番目は私も学会の色々な委員をさせて頂いておりますので、今回のYME派遣がどの様な成果を得たのかを知りたかったということ。2番目は、私も同業の企業でございまして、うちの会社にも同じ様な若いエンジニアがいるわけですが、同じ様な世代の若いエンジニアの皆さんがどんなことを考えて行かれて、どんな成果を得てきたのかというのを聞きたかったということです。
1番目のことに関して言いますと、これはもう成功以外の何物でもない。あとは、幅田さんがおっしゃっていましたが、これをどうやって続けていくのかが、我々学会の仕事を預かっている者として一番大事なことかと思います。そして2番目、皆さんは30歳から40歳までと会社では中堅で、それなりの目的意識をきちんと持っておられて、実際にそれを実行してこられたことが確認できました。翻ってうちの社員が果たして同じことができるかなというのはあるのですけれども。
皆さん異口同音に横のつながりとおっしゃっていましたが、おそらく日本舶用機関学会のYMEという風に思っておられるのは、この5人だけかな、現時点では。実際はその対象となる方が会員の4分の1ですか、この位おられるわけですけれども、そういう人達にどうやって自分達も仲間なんだという一体感を持たせていくのか。