報告の中にもありました様に、特にIMarEの訪問先2つの中で、2年先行しているだけですが、彼らのアクティビティーの中でどんなことが上手くいって、どんな問題があるかということを生の声として聞くことができました。どうやら僕等がイメージしていたことは全くは外れていないし、ヒントとして得ることが幾つかあったので、何とか成果を上げられたのではないかと思っています。
また、他の4人のメンバーが異口同音に言った通り、国内でもあまり今までに無かった異業種分野での人と人のつながりが、ここで出来始めたなと感じています。
司会 今まで皆さんのお話を伺っていて、総じて出てきた言葉が国内の横と横のつながりと言いますか、異業種の団員の中のつながりと情報交換。あとは、やはり出てきたのが、欧州或いはIMarEを回って実際に肌で感じることができた。ある意味では、学会の名を冠しているからなのかもしれないですが、同業者の他の会社に入ることもできた、そういった点で学会としてやっているということのひとつのメリットもあったのかと思います。他にはYMEというとIMarEが数年先んじて進めているようですが、それとのつながりが出来始めた、そういったあたりで皆さん大変実り多かったという実感を持って帰ってきて下さったようです。今回のセレクションは、多分あえて異業種の方を揃えた形なのだと思います。それぞれに大体フィットした訪問先があって、逆にいいますと自分の専門でない会社については、その専門の団員の説明等があったりして、余計に向こうの説明が分り易かったのではないかな、そういう意味でも非常に巧い訪問先のセレクションと団員の選択であったのではないかと思っています。
3.2 今後の派遣のあり方
司会 今後のYME、YMEというよりはまずYME派遣としましょう。IMarEの活動を考えれば、YME事業は必ずしも派遣でなくてもよろしいわけですが、MESJではまず派遣から人っていったわけで、これは来年度、再来年度と続けていきたいものであるわけです。今回を踏まえて今後の派遣のあり方ということを考えた上で、例えばどういった形の派遣がよいのか、あるいは行き先、どういった人達に行ってもらうのがよいと思っておられるか、何でも結構ですがそういったあたりを少しずつコメント戴けますか。では、今度は幅田さんから順にお願いします。
幅田 今回のメンバー構成は、造船所と舶用品メーカーの人でした。派遣のメンバーとしては、例えば学生の方や船研さんの様な研究機関の方がおられてもいいと思います。できるだけバラエティーに富んだメンバーで構成した方が、訪問先との技術交流の上でも良いかと思います。但し、今回は企業の人達ということもありまして、準備期間中の移動費などで資金面の問題は無かったのですが、学生のメンバーが1人2人、或いは大学の助手の方がおられたりとなると、その様な面では少々条件が変わってくるかも知れないので、今後は考慮頂ければと思います。行き先については、IMarEの本丸であるLondon本部、これは姉妹学会として表敬訪問することは今後もおそらく続くでしょうが、その他はヨーロッパのメーカーにこだわらず、例えば、アメリカに飛んでもいいですし、アジアヘ順繰りに戻って来てもいいという様に、次に選ばれたメンバーの方も色々と考えることができると思います。
今回は初年度ということで、派遣が決まってからメンバーが選定されていざ出発というまでのスケジュールが厳しかったこと、IMarE側の都合もあったが、7月上旬の訪問というと夏休みの時期に入っておりまして、受け入れ頂く方の人選ですとか受け入れそのものですとか、調整に苦慮したことがありますので、できれば春あるいは秋口の訪問でスケジュールできれば、もっと有意義になるかなという気がします。
前原 まず、YME使節団の行き先、これはもちろんIMarEは当然外せない、行かなければならない場所のひとつである。というのは、彼らも新しいことにどんどん毎年毎年取り組んでいる。そこを我々MESJ・YMEとの技術交流の中で確認し合って、お互い切磋琢磨し合うという目的ですね。それと、今回はヨーロッパ企業中心ではあったが、世界の海事業界に目を向けてみるとアジアの地域が非常に活発になっている。そういう中で彼等がどのように仕事を進めて、船を造っていくかというのを逆に我々が肌で感じて、危機感という言い方は適切ではないかもしれないですが、自分達の刺激にするというのもひとつの手ではないかと感じます。