英会話はとにかく大きい声を出して喋れば、向こうの人も聞いて分ろうとしてくれるなと、少しは自信になりました。
ヨーロッパを見て思ったのですが、海事関係が皆の日常生活に非常によく溶け込んでいるという感じを受けました。日本も四方を海に囲まれた国ですが、そこまで住んでいる人に海・船が浸透しているかというとそうでもない。一方、ヨーロッパでは船とか海があるところに人が集まっているんですね。ボートを積んだ車も多く見かけましたし、ちょっと日本との違いを感じました。
司会 歴史的な違い、日本はひとつの国なのに対し欧州は色々な国が近くに集まっている、そういった文化的な違い等も関わっているのかなと思いますが。次は山麿さんにお願いできますか。
山麿 私の抱負は2つありまして、造船業界で新規性とか新発想が行われるヨーロッパのエンジニアと交流して刺激を受ける、それと反対に日本のよいものといいますか技術を伝えられたらというのがまず1点、2点目は、我々の内部の中での交流を深めるということを目的として行って参りました。
1点目の方は、かなり刺激を受けて帰って参りました。新規性とか新発想とか色々とあるのですが、1人に対する責任というか、責任の持たせ方がちょっと違うのかなという感じがいたします。インディビディアルな感じで責任を持たされて、ひとつのプロジェクトをやっていっているという感じを受けました。その中から新しい発想も出てきて、少々飛び越えたこともやってみようかとか、そういう感じを私は受けて帰って来ました。我々はそれに対してどういうものを相手方に渡せたかなというと、私達若い人間がこうやってヨーロッパの方にも目を向けて、色々なプレゼンを行いながら頑張っている、日本の造船業もまだまだ廃れていないぞという様なところを見せることができたかと感じています。
2点目の異業種交流についてですが、かなりよかったと思います。ホテルで翌日の作戦会議を一杯飲みながらやったのですが、今後も横のつながりを持たせながら進んで行こうと意見がまとまり、YMEとはこういう風なことから始まっていくのかと感じています。私はプロペラメーカーでプロペラのことしかよく分らないのですが、機関とか電気であるとかの異分野に関しても、ざっくばらんな形でeメールで意見を交換し合える様な雰囲気が出来始めていますので、今後も続けていけたらと考えています。
司会 では、続いて前原さんお願いできますか。
前原 私の応募時の抱負は、ヨーロッパの最新の船舶技術をこの目で見て、自己啓発及び学会活動に役立てたいということだったのですが、まずその目的は少なくとも達成されたと思います。と言うのは、英国機関学会とその他各企業を回る中で、彼らの先見の明を見ることができました。これは私個人としても、このメンバー全員としても非常に新鮮なことだったと思います。更には、IMarEを訪問した時に、彼らが日々の仕事に流されるのではなくて、どのように舶用業界を立て直し発展させていこうかという姿勢を見れたことが非常に大きな成果だと思います。彼らは小学生を始めとする生徒や学生に対して、海事業界に興味を持たせる様なプランを立ててそれを実行している。報告の中で幅田リーダーの話にもありました様に、Fun、楽しもう、楽しみながら仕事を進めようという気風がある、それがヨーロッパの舶用業界かなと肌で感じて参りました。
私も皆さんと同様に、横のつながり、異業種交流は非常に大きな肥やしになりまして、私は一番年下でメーカーという立場であることから、結団式当初はちょっと萎縮した感はあったのですが、YMEの訪問を終えて今この場にいて、皆さんとこういう機会を持てたことが自分の中で大きな自信でもあるし、今後に学会活動を含めた中で、この強いつながりを保つことが何か大きな成果につながるのではないかなと希望を持っている次第です。
司会 それでは幅田さんにもお願いします。
幅田 応募時点は、特に舶用メーカーに乗り込んで行って色々と見てやろう聞いてやろう、そして帰ってからは職場の後輩達にそれを巧く伝えてやろうと言う様なことを思っていたのですが、見事当選してしかもリーダーになってしまいましたら、途端にそれはどうでもよくなって、いかにしてこの企画を一回で終わらせずに、来年も派遣団を送ることができるようにするか、訪問先のスケジューリングであるとかそういったことに気が行ってしまいました。向こうへ行ったら個人としては何をやろう?実際には、これは現地へ着いてから考えたという状況でした。
そんな中で、出発前に一番もやもやとしていた、或いは自信が無かったことがあります。今回こうして5名のメンバーが、初めて学会の中でYMEと称してチームづくりされて、学会活性化のひとつとしてアクションを起こしていこうとスタートはしたのですが、帰国後は何をどうすればいいのかとか、或いは来年以降も派遣があると思いますが、そこで選ばれたメンバー達とどうの様に核作りをしていくかということで考えがまとまらなかった。そういう不安がかなりありました。