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3.2 今後の派遣のあり方

3.3 フロア参加者からの意見と感想

3.4 学会においてYMEはどうあるべきか

3.5 おわりに

 

以下に討論の概要を報告する。

 

3.1 応募時の抱負と派遣の成果

司会 後半の部、パネルディスカッションに移ります。YMEは今後いかにあるべきかというところに向かってディスカッションしていきますが、今回のYMEの派遣事業、これを行うにあたり学会としても非常に大きな期待があったわけです。先程の発表にもありましたが、現在、舶用機関学会の会員数が2,600名弱、その中でYMEと定義してますのが40歳未満ということのようですが、全体の4分の1位を占めている。この割合が高いか低いかはまた別として、若い層に元気と広い視野を持ってもらい、若い層から色々と発信して頂きたい、こういった期待を持ってこのシステムを始めたわけです。しかし、多分ここにおられる5名の方は、そういった学会の思惑とはまた別に、それぞれ個人として期待と目的を持って応募されたものと思います。実際には、書類で応募して頂いてセレクションするという形のシステムを採ったわけですが、申請書類を見させて頂いても、今回の派遣でこういうことをしたいんだ、という様な目的と希望を書かれていたと思います。

まず皮切りとして、皆さんが今回の派遣に対してどういう期待を持っていたか、あるいは目的を持って行ったか。それに対して、実際に行ってみてどうだったか。自分としては一体どこに成果があったと思われているかあたりを、先程の発表とは別としてご紹介頂くところから始めたいと思います。

 

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写真2 パネルディスカッションの様子

 

原田 申込時の抱負は、ヨーロッパの舶用界の実情や能力等を直接見学、或いは技術者との交流により肌で感じてきたいということを書いて出しましたが、海外出張そのものが今回初めてでして、ツアーでコンダクターの方に連れていってもらった様な経験しか無かった私が初めて自分で計画から行った、そういう価値もあったと思っています。

私はエンジン屋なので、バルチラに行けたことは大変価値あることでした。私が担当している中速エンジンからすればバルチラは巨人でして、非常に有意義でした。新しいことをやっていて凄いなと思いつつ、我々のものも捨てたものではないんだという様なことも感じました。向こうは規模も大きいし、色々な人と、色々な企業同士が一緒になって進めている様なところもありまして、羨ましいとも思いました。

今回のYMEの目的のひとつでもあった、同業他社との関係をつくるということに関しても、このメンバーで準備の段階から何度もミーティングを持ちまして、終わると飲みに行ったりしたのですが、その様な関係もつくることができました。この関係から生きた情報が入ってくることもありますので、もっと他業種の間で交流が持てていければ色々なアイデアも出てくる、そういう方向を希望しております。

 

司会 やはり聞くと見るとではえらい違いだ、見て実感するというところが非常に重要であったというご意見と、同年代の今までと違った仲間ができる、情報交換ができるといったご意見かと思います。それでは続いて松村さんにお願いします。

 

松村 応募時の希望は、外国メーカーが実際にどういうことをやっているのか見たいということです。造船所の人間ですから造船所も見てみたかったのですが、これは日程の都合上で今回は採用されませんでした。そして国外を含め、異業種のメーカーのエンジニアと交流が持てたらなと。最後にこれは個人的なものですが、海外出張は私も初めてでしたので、英会話の勉強ということでした。

派遣の結果として、異業種間の交流という面でこのメンバー構成は非常にメリットがあったと思います。造船業界は若い人が少ないですし、今後も少ないのかもしれません。そういう中で、他業種の方とのつながりが今以上に密接になって行くだろうと思います。外国の人とのつながりでは、今でも訪問先のYMEからeメールが届いています。メーリングリストの中に名前があると、私たちYME使節団の人達が認知されているのだなと、肌で感じることができました。

 

 

 

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