2. IMarE訪問(7月3日)
報告者・幅田
今回のYME使節団の第1目的であるIMarE本部へ7月3日(月)に訪問した。学会本部は、1815年建設の古い建物を1999年に外壁を残して内部の改装を行い、近代設備の導入を済ませたビルに移転したものであり、最新の視聴覚設備などを備えていながら歴史や伝統を護った素晴らしい佇まいであった(写真1)。IMarE本部ビルの詳細については、青木会長の訪問記に詳しく述べられているのでそちらを参照戴きたい3)。
さて学会到着後、2階ホールでお茶を頂きながらの名刺交換の後、早速に1階講義室で双方のプレゼンテーションと意見交換を行った。
まず、IMarE側からEd Hansom氏による学会の紹介があった。1889年創立、現在の会員数は約17,000人であり、支部数も英国のみならずヨーロッパを中心に47と大規模かつ国際的な学会である。各種イベントの主催・会誌等出版物の刊行・IMOの非政府諮問機関としての活動など、幅広い活動を展開している。
続いてDr. Jukes (KW Ltd., 海洋分野のコンサルタント会社主席技術者)からIMarEのYME活動について紹介があった。Jukes氏はYME South East England Branch and London & Home Countiesのリーダーである。IMarE本部では大学・専門学校の学生や舶用メーカーの若手会員へのサービス強化を模索してきているが、若手技術者のネットワーク作りとしてYME活動をサポートし始めて2年目を迎えている。YMEメンバーのポテンシャルとしては1,800人程度あるとの話であるが、その中で170人がe-mailリストにあり実際の活動を展開している。主な活動目的は、技術講演会(勉強会)或いはオフタイムのレクリエーションを通じて人脈や交流を広げること、そして新入会員の拡大であるが、小学校から大学までの各層に対してマリンエンジニアリングに興味を持たせるべく講演会やお絵描きコンテストなども行っているようである。
当学会からは、学会全体の活動と活性化事業の実施について筆者(幅田)から紹介した(写真2、及び文末の図1にプレゼンの概要)。今回の使節団の訪問目的やMESJ版YME活動の今後の展開について質疑応答が交わされた。これに続いて最近の日本の舶用技術の紹介として、山磨氏から閉鎖水域攪拌浄化及び海洋肥沃装置について(写真3、及び文末の図2)、前原氏から船舶統合制御監視システムについて(文末の図3)のプレゼンテーションを行った。