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報告

YME使節団レポート*

YME使節団**

 

1. はじめに

 

当学会の活性化事業の一環として若手技術者の海外派遣交流事業が本年度よりスタートし、その初年度使節団として渡欧する機会を得たのでその概要を報告する。

当学会では、昨年8月に青木会長を委員長とした発展的改革委員会を発足し、次のような具体的活動を進めている1)

・学会名の見直し

・重点研究分野の見直し

・学術講演会等、各種行事の充実・多様化

・学会誌とホームページの充実

・若手技術者の海外派遣交流

・事業推進のための「ME21募金活動」

このうち若手技術者の海外派遣交流については、日本財団の援助のもと、次のような具体的目的によってヨーロッパヘYME (Young Marine Engineers)使節団の派遣を決定し、会誌3月号において使節団員の公募がなされた2)

・国際的視野における技術力の研鑚

・海外の最新技術情報の収集と学会への提供

・英国舶用機関学会との意見交換

・我が国の技術力の紹介とPR

・国際的人脈の構築と派遣団内での異業種交流

選考の結果、以下の5名のメンバーが選出された。

原田和弘(三井造船、玉野事業所ディーゼル設計部)

山磨敏夫(ナカシマプロペラ、東京支店技術部)

松村直哉(日本鋼管、船舶海洋技術部機電技術室電気チーム)

前原克好(大洋電機、制御器技術部)

幅田望(石川島播磨重工業、船舶海洋技術統括部機関計画グループ、使節団リーダー)

いわゆる機関屋・エンジン屋ばかりでなく電気技師2名を含めた船舶と舶用機器技術の広範囲にわたるバラエティに富んだメンバーで構成され、この使節団のひとつの特徴と言える。

早速、5月10日に学会会議室で結団式を行い、訪問先及び交流内容の具体的な検討に入った。本使節団のもうひとつの特徴として、訪問先等については使節団メンバーで自ら計画および実行することが挙げられる。立案においては以下を勘案して進めた。

(1) 友好学会である英国舶用機関学会(IMarE)の訪問。

(2) IMarE若手会員のネットワーク活動・YME (Young Maritime Engineers) Networkの実態調査とメンバーとの意見交換。

(3) 舶用機器メーカーの訪問。使節団メンバーと訪問先の双方の専門技術分野や最近の技術動向。

上記(1)を主体として訪問先とのスケジュールを調整し、行程を次の通りとした。

7月

1日 出発

3日 IMarE本部(London, UK)

4日 IMarE・North East Coast支部(Newcastle, UK)

5日 NORCONTROL社(Horten, Norway)

6日 ABB Azipod社(Helsinki, Finland)

7日 Wartsila NSD社(Vaasa, Finland)

9日 帰国

各訪問先における交流内容を2〜6に記す。

また、帰国後には報告・討論会を行い、成果内容の討論や今後の派遣のあり方などについて意見交換を行った。討論会の内容については別に報告する。

 

* 原稿受付 平成12年10月10日

** 正会員 本文中に記載

 

 

 

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