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マリンエンジニアリング:環境保持をめざしたデザインと運用

 

Anthony Paul ROSKILLY

 

要約

この論文は、海運の環境保持に関する課題点と、新しい技術改革や発展を必要とする主機関に関する課題点の幾つかについて記述している。社会及び規則上の傾向は、高効率、保守性と信頼性の維持を求める一方で、動力・推進用機関の排気ガスの継続的な低減を必要としている。

更に往復動機関、ガスタービン及びそれ以外の熱機関の技術における最近の研究と開発についても言及しており、上に述べた要求に対応するよう試みている。その中の幾つかは、早い時期に商業的な可能性の見込みが得られるならば、ごく一般的なものとなるであろう。

 

キーワード:環境保持、マリンエンジニアリング、排気、効率、動力・推進

 

1. はじめに

環境保持をめざした発展のためには、自然環境の質を害すること無く、人間生活の質を向上させる事が求められる。技術者にとって、環境の保持に対する、現在と将来の動機と期待を評価する事は、極めて重要である。「1」エンジニアリングシステムの最もコスト効果の高い設計は、如何なる環境上の影響も除外して、労働と原料の価格だけを考慮に入れる事によって、比較的容易に実現できる。しかしながら、環境上のコストは考慮に入れられるべきであって、経済コストとともに議論されねばならない。

厳しくなる安全と環境の規制に対して、信頼性を増加し、効率を改善し、保守の必要性を減少させる事が、引き続き求められている。又、船種とその適用範囲が常に拡大しているので、運航者は機関システムがより高い出力密度と、配置と操作におけるより大きな柔軟性を持ち、そしてこれらがより低い費用で、得られることを求めている。現存の技術の改良が、これらの要求の幾つかを満足させる一方で、使用される動力・推進プラントにおける革新的な変化が、環境の保全を促進させる為に必要であろう。

政府と公共の環境に対する自覚の高まりは、近年機関設計者によって認識され、有害排出物の低減が不可欠となっている。目標としては常に、熱効率の最大化、保守性と信頼性を狙っている。しかしながら、これらは今や、特定の排気物、特にNOxの水準を顕著に低減させる開発と平行して、維持されねばならない。

 

2. 舶用産業の環境への影響

環境への影響の評価は、地球規模の汚染レベルに対する海運の関与の分析と、汚染を減少させる対策のコスト/利益の評価を実施する事によって達成できる。Johnsenら「2」は1996年における世界の船隊の、主推進による排気物をモデル化して、CO2、SO2そしてNOxは、各々全世界における排出量の2%、5%及び7%を占めていると結論づけた。

一方において、ライフサイクルの分析(LCA)の検討が、輸送の1つの手段として海運の環境影響を調査する実施された「2」「3」。気候の変動、酸性化、毒物の汚染、局地的大気汚染、騒音、エネルギー消費、そして土地開発が環境影響カテゴリーであり、これらは夫々の輸送様式を通じて被った環境への損害を、比較検討るのに使用できる。これらの影響カテゴリーの重要度を見積もり、1つの相対的な指標を作り出す為には、道徳的及びイデオロギー的な価値観に基づいて、各カテゴリーを評価する事が必要である。

 

 

 

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