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手の平にすっぽり入るデジタルカメラが発売された。数年後には、携帯電話の能力が三〇〇Kbpsになるらしい。そうなれば、ヘッドセットやCCDカメラを使い、今より簡単に会話・動画伝送が可能である。進化が目まぐるしい通信技術に目を向けて、より良い機器の導入を今後も進めていく必要がある。

(嶌津豊)

 

予防・広報

火災予防は家庭の中から

苫小牧市消防本部(北海道)

 

はじめに

当消防本部は、北海道の中央南西部に位置し北緯四二度三七分五三秒、東経一四一度三六分三四秒にあり、世界第一位の紙生産工場と自動車製造業の二大基幹産業、更に「ホッキ貝」漁獲高日本一という恵まれた資源と雄大な自然環境を有して発展する街です。

昭和二三年三万三一三一人で市制を施行して以来、特に昭和三八年の苫小牧西港の開港を契機として急激な人口の増加を続け、昭和四四年七月には人口十万人を突破し、昨年末の人口は一七万二八四七人で、現在、道内六番目の都市へと成長しました。

苫小牧市の北西に位置する樽前山は現在も活発に噴気を上げる火山で、昨年三月、二二年振りに噴火した有珠山と並び常時観測対象になっている活火山の一つです。その樽前山には、北海道の天然記念物に指定された溶岩円頂丘(ドーム)があり、その北側山麓に広がるカルデラ湖の支笏湖は、この樽前山の噴火により形成されたと言われています。また、この湖は日本最北の不凍湖としても有名であり華麗で神秘的な姿は人を引き付けて止みません。また、東にはラムサール条約に登録されている野鳥の聖地「ウトナイ湖サンクチュアリ」があり、冬には「白鳥」、春にはいろいろな水鳥約二万羽が羽を休める鳥たちの楽園があります。この地域は、「たき火・喫煙」等の火入れ禁止区域に指定し環境保護に力を入れています。また、大小さまざまな湖沼や湿原を有する「勇払原野」が広がり雄大な自然環境に恵まれています。南は茫洋たる「太平洋」にのぞみ、全国的にも珍しい内陸堀込の人工港は、今では道内屈指の貿易港として発展しております。海岸線は海流の波浪で細い帯状の砂丘が形成され夏は市民の憩いの場として親しまれています。

気候は親潮寒流の影響を受け六月から七月には霧がかかりますが全般的に温暖で、冬は道内各地と比較して雪が少なく、晴れた日の多い太平洋的気候となっています。

苫小牧市の面積は、東西三九・九km、南北二三・六km、海岸線三三・五km、周囲一二四・五kmと東西に長い地形で五六〇・五km2あります。地理的には、北海道の玄関と呼ぶに相応しく交通アクセスが大変良いものがあります。また、近隣には支笏洞爺国立公園を初め温泉地も多く、自然溢れる雄大な森林が拡がる恵まれた自然との共存を進めながら、火災や災害のない安心して暮らせる街造りを進めています。

 

一 苫小牧市の消防

消防の機構は、一本部一署五出張所、一団本部一一分団からなり、消防職員二一一名、消防団員二八七名が一丸となり、火災や各種災害から苫小牧市民を守り、火災ゼロを目指し災害に強い街造りに努めています。

 

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二 幼い心に「火の用心」

幼稚園・保育園に通う園児を対象にして、楽しみながら目と耳から火災予防の心を育てようと、火災予防運動期間中に市内の幼稚園等に職員と女性消防団員が訪問し、子供向けアニメ防火映画やビデオを鑑賞してもらい、その後に「火災の恐さ、生命の大切さ」を子供の目の高さになってソフトに女性団員が防火講話を行います。話の途中対話を織り交ぜその中から子供たちが日頃感じている小さな疑問に答える問答形式で進め、最後に園児たちと、「火遊びはしません」、「お父さん、お母さんの言うことはききましょう」と約束を交わして終ります。この行事は子供たちには大変好評な行事で、講話中の子供たちの真剣な眼差しは、心打たれるものがあります。

 

 

 

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