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二 自衛消防隊活動

事業所従業員の初期消火技術の習得及び消火体験を行うため「自衛消防隊操法大会」を開催しています。昨年の第一二回大会には、三四チームが参加して、屋内消火栓の一号、二号の種目に分かれ、放水で的を倒すまでのタイムと作業の正確さ、規律の有無などを争いました。各チームとも大会前の一カ月間、所轄の消防署で署員の指導のもと、訓練に励んだ成果を披露しました。

この消防署での訓練指導を通して、署員と自衛消防隊員との「出会い」と「ふれあい」さらに「交流」が生まれ、消防署と事業所との信頼がより一層深まり予防広報の効果を高めています。

このほか、消防署での事業所従業員による「一日消防体験教室」を開催しています。防火、救急救助の知識と技術の習得を図るために、消火器、屋内消火栓、避難器具、救急応急措置、ロープ結索等の体験を行い「自分たちの職場は自分たちで守る」自主防災の意識の高揚に取り組んでいます。

 

三 住宅防火診断活動

一般住宅に、署員の手作りによる防火チラシを年四回町内会等を介して回覧するほか、三年から五年毎に必ず一回は管内の全世帯を署員が訪問して、イラスト入りの防火診断チラシを配布するとともに、火の元点検などを実施し、出火防止、放火対策、初期消火等の指導を行い住民とのふれあいを図っています。診断を行った家庭には、「火の用心防火診断済証」シールを貼付するなど一般住宅の予防広報に取り組んでいます。

また、一人暮らしの高齢者宅には、地元ヘルパーとともに訪問してパソコンによる住宅防火診断を実施し、住宅用火災警報器を設置するなどの住宅防火対策を推進しています。

 

四 少年・少女に対する活動

管内三六小学校六年生二、〇五五名に火災予防運動の防火ポスター作成を依頼し、作品を校内をはじめ地元の公民館等の公共施設に掲示して、少年期の防火意識の高揚と地元住民への火災予防の普及啓発に取り組んでいます。また、「ソフトバレーボール大会」「一日消防官体験」等の行事を開催し、少年・少女と消防との交流を図っています。

 

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おわりに

予防広報は、実施したことに対して具体的に出火防止や火災による死傷者の減少効果の表れを見ることは困難であり、即効性も期待できないかも知れません。

しかし、幼児から高齢者まで、広く多くの住民に防火の意識を持ってもらい、出火防止や消火、通報及び避難要領等の体験を通し、消防からだけの一方通行ではなく、住民と消防が「出会い」と「ふれあい」を持つよう、あらゆる手段を試行錯誤しながら根気よく継続していくことが災害による被害の低減のため、大切であると思います。

その結果は、何年先になるか知れませんが、必ず、実りあるものとなることを確信して、今後も予防広報に取り組んでいきます。

(長野文彦)

 

 

 

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