三 広報媒体の活用
市、町から発行され全家庭に配布される広報紙に、防災対策や災害発生時の対応、救急に関する情報、講習会の開催等を掲載し防災思想の普及発展に努めている。
また、平成一〇年八月二七日に発生した那須水害を契機に、増設した緊急伝達システム(両市町一〇二箇所)を活用し、自然災害が予想される場合の事前連絡、避難勧告などの伝達をはじめ、春・秋火災予防運動期間中の広報、火災発生時の広報、火災・気象警報発令時の広報を実施している。
四 消防展の開催
毎年、秋の火災予防運動期間中に市内の大型店舗駐車場を借用して、消防車両の展示、救急救命士による応急救護の方法、飲み物やポップコーンなどの無料配布、防火標語入りゴムフーセンの配布、キーホルダーの配布、子供を対象に放水体験コーナー、起震車の体験コーナーなど毎年思考を凝らして実施している。
また、消防職員が作成したミニ消防車を先頭に、幼年消防クラブ員である幼稚園児がハッピを着て消防展会場を防火パレードし、その後「火の用心のうた」を合唱するなど、防火ピーアールの一役を担っている。
五 婦人防火クラブについて
建物火災のうち約半数が一般住宅火災であるため、一般住宅火災をなくすことが急務であることを念頭に、四地区(会員数八、六六〇名)の婦人防火クラブ員と消防職員による一人暮らし老人宅の訪問、各戸防火診断の実施、消火競技会への参加、防火防災講習会の開催、普通救命講習会の開催など、行動を伴った活動を目標に活躍している。
また、数多くの参加者を集めるため、防火婦人バレーボール大会を実施している。
六 幼少年消防クラブについて
火災予防は幼児期から植えつけようと、幼稚園五クラブ三五一名、小中学校六クラブ二八六名が春・秋の火災予防運動期間中の行事に併せ、防火パレード、防火ポスター、防火標語の作成など、広報に協力している。
七 おわりに
住宅火災による死者が八割以上を占め、また、住宅火災における死者のうち高齢者層が約半数を占めていることから、住宅防火対策を推進していかなければならない。そのためには、婦人防火クラブ、幼少年消防クラブ、自主防災組織の育成強化に努め、地域住民に直接呼びかけるべく、職員全員が一丸となって、取り組む所存である。
また、防火対象物についても、査察を計画的に実施し、消防用設備の設置などハード面はもとより、防火管理体制などのソフト面の指導をおこなうことが重要であると考えている。
(本澤輝良)