三 おわりに
最近の通信技術の進歩により、通信インフラは整い、より高度な情報の伝送が可能となりつつある。近い将来には、携帯電話を用いての動画像伝送が可能となるであろう。
ここに紹介した画像伝送システムは静止画像ではあるが、救急車と医療機関を結ぶ双方向の画像伝送システムとして、新しい指示・助言体制と救急救命士活動の第一歩を踏み出すことができたものと考える。
今後も更に伝送実験を重ね、患者情報の共有化や、必要な情報の入手、医師とのディスカッションもできる環境を作り上げていくことが重要である。
最後に、本システムの研究開発にご協力いただいた「日本光電工業株式会社」の皆様に、誌面をお借りしてここに謝意を申し述べたい。
(宮本一男)
予防・広報
住んでよかったと実感できるまちをつくるために
黒磯那須消防組合消防本部(栃木)
はじめに
黒磯那須消防組合は、栃木県の最北部に位置する黒磯市及び那須町の一部事務組合で北東地域は福島県、南は黒羽町、大田原市に隣接し、西は蛇尾川流域を境にし、北西部に那須連峰を背に、前面に八溝山系を臨んでいます。
交通は主要県道をはじめ、東北自動車道、四号及び二九四号国道、東北新幹線等網羅され中央官庁への用務等は極めて恵まれているため、新たな通勤圏内として注目されるなど、高原都市に向けてさらなる発展が予想されます。
日光国立公園那須高原は、那須岳(一、九一五メートル)を中心とする雄大な景勝と温泉郷(那須温泉、板室温泉など。)で盛況を呈しています。
農業、商業及び観光に立脚してきた経済基盤に工業を加えるべく工場誘致に成功、経済の安定、豊かな町づくりを推進しています。
又、酪農はもとより東京市場にむける施設園芸も盛んになって来ており、北関東の発展途上の都市です。
一 黒磯那須消防組合の沿革
当消防本部は、昭和四五年一二月、黒磯、那須両市町の議会において「黒磯那須消防組合」設立について議決され昭和四六年三月一五日、栃木県知事に一部事務組合「黒磯那須消防組合」設立に関する許可申請をし、同年四月一日付で許可があり、同日、黒磯那須消防組合が発足した。
二 消防力
当組合の消防体制は、一本部、一署、三分署、職員数一四一名、五課(総務課、予防課、通信指令課、警防課、救急救助課)の編成で、消防ポンプ車八台、はしご車二台、化学車一台、救助工作車一台、高規格救急車三台(救急救命士一〇名のうち女性救命士三名)が整備されている。
女性職員が四名おり、一名は予防課に配属され消防訓練の指導、防火対象物検査等に携わっており、他の三名は、女性救命士として、男性職員が多い中、隔日勤務しながら、救急業務、普通救命講習会等に、女性ならではの感性を生かし活躍している。
消防団は、黒磯市四分団六八〇名、那須町五分団八六五名の編成で活動している。