これは、救急車に設置したカメラから救急活動の画像(静止画像)を取り込み、携帯電話により医療機関(救命救急センター)に伝送、医師は送られてきた画像を見ながらアドバイスをする。今ある指示・助言システムの中に「映像」を取り入れる研究である。
本研究は、「公立昭和病院救急医学科」、「東久留米市消防本部」そして「日本光電工業株式会社」に協力を依頼し、三者による開発共同研究とすることで、基本的に合意した。
この提案は、救急協議会全委員一致のコンセンサスが得られ、研究の第一歩を踏み出すことができた。
二 伝送実験の開始
(1) この画像伝送システム開発共同研究の合意から日本光電工業(株)において機器の研究・開発に着手、平成一一年七月に試作機が完成した。日本光電工業(株)本社(東京新宿区)において三者立ち会いのもと、動作確認試験を実施。その後数回に及ぶ伝送試験を繰り返し、同年九月に救急車両へのシステム取り付け(図1)並びに公立昭和病院ICUへの受信装置システムの設置(図2)が完了した。