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伊万里市消防本部(佐賀)

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伊万里市は、九州北部、佐賀県の西北部にあって、三方を山に囲まれ、西北部からは伊万里湾が深く入り込んだ波静かな天然の良港を擁しています。

消防本部は、昭和二九年に発足、四八年に長崎県の離島・福島町から消防事務の委託を受け、県境を越えた全国でも珍しい広域体制をとり、現在一本部、一署、四出張所、職員九六名、消防団(伊万里市分)一二分団一二〇〇名で、人口伊万里市約六万人、福島町三千六百余人の消防防災の任務を担っています。

★管内の特性

伊万里港は、古くから海上交通の要衝として朝鮮半島や中国大陸との交易が盛んに行われ、特に有田や伊万里周辺で生産された焼き物の積出港として栄え、"イマリ"の名は世界に広まりました。

一六七五年佐賀・鍋島藩の御用窯が大川内山に置かれ、技法の漏洩を防止するため関所を設けて人の出入りをチェックし、その結果、高い芸術性と優雅さを極めた磁器の最高峰「鍋島」が生産されましたが、現在も大川内山には、その伝統を受け継ぎ、或いは新たな挑戦の窯元三〇有余が、一大窯元群を形成しています。街にはあちこちに古伊万里の大壷や人形がみられ、焼き物の里を実感することができます。また、さきの九州沖縄サミットのテーブルを飾ったと言われる伊万里牛、それに梨等の特産品のほか、IC関連、造船、水産加工等、産業や海洋の技術等を集積し、伝統と自然と産業の調和した都市づくりが進行しています。と、田中総務課長さん。

陶器と磁器:陶器は粘土から、磁器は鉱石を砕いた粉末を練って焼き上げるもので、輝き、厚み、響き等に違いがあり、伊万里の焼き物は主に後者です。古伊万里とは江戸の頃、有田周辺で焼かれ伊万里津から運ばれた焼き物を言いますが、現在では赤絵に金を施した物を古伊万里様式と呼びます。

★定着した消防まつり

火災予防や救急の一日消防署長や一日救急隊長は、友好都市の中国大連市から毎年伊万里市が受け入れている公務研修生や外国語指導助手(ALT)に協力いただいている。毎年八月に市民五千人余が参加し、楽しみながら防火を体験し、フィナーレは花火大会で〆る「防火フェスタ」(消防まつり)は、二二回目を数え、本市としても夏の一大イベントとなっています。と、総務課長さん。

★暮らしの安全の確保

第四次伊万里市長期総合計画では、高齢化や災害弱者対策として、福祉部局で実施している緊急通報ペンダントシステムを更に推進し、本年度更新する消防緊急指令施設に緊急通報ファックスを組み入れる等の計画をしています。

★期待の星・プロパー消防長と課題等

丸田消防長は、一一代目にして初めて、プロパーから就任されたと言うことで、職員間も市当局からも期待の星であろう雰囲気と真摯さ、簡明さが印象的でしたが、消防長は、"東西二五キロメートル、南北二一キロメートル、面積二五五平方キロメートルと佐賀県の一割強を占める広大な管内が消防の分散配置を余儀なくしている。人口に対する職員数は他地区消防に比べ多いにもかかわらず結果として、研修機会の不足や業務過多を招いていて、この点の改善が課題"と考えている。また、職員の立場が分かるので、"資質の向上、心配り気配りを第一に、人造りが何より大事"と肝に銘じて対応していると結ばれた。

(武藤國造)

 

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