日本財団 図書館


ワンポイント

消防職員のための法令解説

 

情報公開法(四)

 

七 不開示情報

不開示情報として、

1] 個人に関する情報

2] 法人等に関する情報

3] 国の安全等に関する情報

4] 公共の安全等に関する情報

5] 審議・検討または協議に関する情報

6] 事務または事業に関する情報

があり、それぞれ一定の要件に該当するときは不開示情報となる。

 

八 個人に関する情報

「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述により、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別できることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」(情報公開法五条一号)については、一定の例外情報(情報公開法五条一号イ、ロ、ハ)を除き、非開示情報である。

個人情報については、プライバシー情報を非開示情報とする情報公開条例を定めている自治体もあるが、本法と同じように、個人識別情報を非公開とする情報公開条例が多い。

個人識別は、情報中の氏名、生年月日等で識別される。

個人識別情報について、情報公開法は、「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するもの」を不開示情報としている。

例えば、カルテについては、個人の人格と密接に関係する情報であり、個人名を非開示にしたとしても、そのカルテ情報は、その個人がコントロールすべきであって、みだりに公開されるべきではない。そこで不開示情報の範囲を、個人識別情報よりもひろげているものである。

 

九 個人情報中の公領域情報

本条一号イは、「条例の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」は、個人情報でも開示情報となる。例えば、商業登記簿に登記されている法人の役員等に関する情報や、中央省庁の職員録等が対象となる。

 

一〇 個人情報の公益上の業務的開示

本条一号ロは、「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報」を、個人情報でも開示情報としている。

それは、人の生命、健康、生活又は財産に現実に被害が発生している場合や、これらが侵害されるおそれがある場合で、公にすることが必要であると認められる場合の開示について定めているものである。

 

一一 公務員情報

本条一号ハは、個人情報であっても、一定の公務員情報についての開示を定めている。

公務員は一般職と特別職を含む。

公務員の職務に関する情報で、公務員の職及び職務遂行の内容に係わる部分が開示対象となる。

個人情報の対象となっている個人本人が開示請求しても、それは、情報公開法の、非開示個人情報に該当すれば、非開示となる。

 

全国消防長会顧問弁護士 木下健治

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION