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二 少年消防クラブについて

賤ヶ岳少年消防クラブは、羽柴(後の豊臣)秀吉が戦ったとされる古戦場「賤ヶ岳」の麓に広がる五地区の児童が集まる伊香具小学校の五・六年生で組織されるクラブです。同地区は、古い歴史と生糸生産の伝統産業が人々の生活の基盤となっており、古くから受け継がれてきた伝統文化を守るため防火に対する意識も高く、昭和六一年七月に結成された当クラブは、毎年様々な学習を行っています。入会式で始まり、一学期には救急法の学習、二学期には消火器取扱訓練、また、夏休みを利用して、夏期研修を行なっています。昨年も、クラブ員全員が原子力発電所を訪れ、原子力発電の仕組みや役割について学習しました。その他、火災予防運動に併せて防火ポスターを作成し入選作品を印刷し郡内事業所に配布、防火啓発を訴えています。

 

三 婦人防火クラブについて

婦人防火クラブは、八クラブ結成されています。秋の火災予防運動期間中の日曜日には、各クラブの代表者が参加して、郡内大型店舗で街頭広報を行なっています。「火の用心お願いします。」と大きな声で火災予防を訴えているクラブ員に買物客も足を止めていました。その他、消火器取扱訓練、軽可搬消防ポンプによる消火訓練を実施し、いざという時のために備えています。

 

四 防火保安協会について

伊香郡防火保安協会は、郡内の事業所並びに住民の暮らしと安全を守るための自主防火推進団体として昭和五二年に発足、以来二三年を経過し会員数も百四〇事業所に達し、年を重ねる毎に充実した運営が行われています。

主な事業としては、危険物取扱者試験事前講習会の実施、火災予防運動の協賛事業として、防火パレード、幼稚園・保育園の防火訪問、防火ポスター展、少年・婦人防火委員会の育成事業などを行なっています。

間近に迫った二一世紀に向けて、安全に企業を運営発展させ地域住民が安心して暮らすことができる町づくりを目指し、より一層の、防火意識の高揚が図られています。

 

おわりに

当管内においても高齢化と少子化は進み、加えて山間部の地域においては若い世帯が近隣の市街地へ転出し、高齢者だけの世帯や高齢者の一人暮らし世帯となり、災害弱者世帯が急増しています。

この急増する災害弱者世帯への予防広報が当本部では最も重要な課題となっています。従来からその一施策として「高齢者が安全に暮らせる故郷」をスローガンに高齢者の一人暮らし世帯の訪問防火診断を実施していますが、山間部地域では高齢者全世帯の訪問防火診断へと拡大させる必要があると考えているところです。

訪問防火診断を始め住民と直接話をする防火防災広報は、最も有効な方法ですが住民の深い理解が必要となります。これまでの消防活動で得られた住民との信頼関係を大切にし、住民密着型の予防広報を実施したいと考えています。

(小野長治)

 

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