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・停電 四四〇世帯

・電話不通 一四四世帯

・火気規制 現場周囲火気取扱規制

(9) 出動車両及び人員

・出動車両 一六台

・出動人員 一五〇人

(10) 残留油処理関係

・手動ポンプ 一基

・ドラム缶 一四本

・残留油搬送車 一台

 

三 活動の概要

火災現場は、富沢町内にある当消防本部南分署の北側約二五〇m地点であり、富沢町内で最も北端で集落のほぼ中央部を南北に縦断する国道五二号線上で起きたものである。又、現場付近の地形は平坦ではあるが、道路幅員は狭く、住宅も密集した地域である。

七時二〇分頃から南分署職員が配置車両の整備を行っていたところ、南分署北側でドーンという爆発音とともに五二号線上より火柱と黒煙が垂直に上昇しているのを確認した。

南分署よりポンプ車一台、救急車一台が出動するとともに二〇km離れた中部消防署へ無線にて報告、電話が不通のため中部消防署より富沢町役場に連絡し、消防団の出動要請を指示した。

現場は南分署から約二五〇mと近いが、国道が緩やかなカーブとなっており、そのカーブを曲がると、火災車両は既に炎と黒煙に包まれ車種の識別ができる状態ではなく、国道に面している住宅、店舗、倉庫からも炎と煙が勢いよく吹き出し延焼中であった。

又、移動タンク貯蔵所の運転手と思われる男性が道路端にうずくまり顔面から少量の出血がみられたので救急隊が救急車により病院へ搬送した。

消防隊は、国道から東側約三〇mの河川に水利部署し、七時四七分、二線放水開始。一線は住宅東側より防ぎょ、二線については油火災用薬液を使用し、移動タンク貯蔵所の防ぎょにあたった。

その後、中部消防署よりポンプ車一台、救助工作車一台の応援を受け、住宅、移動タンク貯蔵所両火災の防ぎょにあたった。

又、地元消防団ポンプ車も随時集結し、一〇台、一五〇人体制で住宅の防ぎょにあたり同日八時三〇分住宅火災を、八時三一分移動タンク貯蔵所の火災を鎮圧した。

鎮火後、移動タンク貯蔵所の残油を手動式ポンプによりドラム缶へ抜き取る処理を行い、移動タンク貯蔵所をレッカー車にて現場近くの広場まで移動し、国道の通行止めを解除したのは発生より六時間半後の一四時一五分であった。

 

おわりに

この火災により、これだけ多くの住宅に被害が及んだ原因は、当日、雨という気象条件であり、爆発したタンクから漏洩した油が側溝のない道路上に溜まった雨水と一緒に炎をあげながら流れだしたこと。また、幾度となく道路舗装工事が行われ住宅地部分が道路より低くなっていたため、前述の炎が流れ込んだこと。さらに、国道沿いには築三五年から八〇年の木造住宅が軒を連ねていたため一気に燃え上がり、被害を広げたものである。

この交通事故に伴う火災により、莫大な被害を受けた地元では関係機関と交渉を重ね、国道の拡幅工事が実施されることとなり、現在工事が進められているところである。

(小倉幹雄)

 

救急・救助

路面凍結!親子を襲った一瞬の出来事

浪岡町消防本部(青森)

 

はじめに

当町は、青森市、弘前市、黒石市、五所川原市の四市に囲まれ、青森県のほぼ中央部、津軽平野の東端に位置し、管内には青森空港・東北自動車道浪岡インターチェンジ・JR奥羽本線・国道七号線・空港アクセス道路等が走る交通量の多い町である。

人口二万一千人、総面積は一三二・一三km2で、東西一九km、南北一七kmの町域を有し、北西部と東部一帯が山地及び台地状の丘陵地、中央部から西部にかけ放射線状の低地となっており、津軽平野の一部を形成している。

 

 

 

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