火災

交通事故に伴う移動タンク貯蔵所の火災について

峡南広域行政組合消防本部(山梨)

　

はじめに

当消防本部は、山梨県の西南に位置し、構成一一町、面積一、〇六三km²、人口七万人を有しています。山梨県西部一帯は中央に日本三大急流の一つである富士川が流れ、東側は天子山地、西側は三千m級の山が聳える南アルプスに囲まれた山間の地形から「峡」とよばれ、その南にあるところから「峡南」とよばれています。

又、この地には日蓮宗総本山「身延山久遠寺」を始め、歴史を有する社寺や文化財も多い地域であります。

当消防本部は昭和四七年四月、一一町をもって組合消防として発足し、昭和五八年一〇月、峡南広域行政組合となりました。現在の消防体制は職員数一〇〇名、消防本部三課、二消防署、一分署、三分駐所であります。

今回は平成一〇年九月二一日、当管内の最南端に位置する富沢町楮根国道五二号線で発生した移動タンク貯蔵所の交通事故に伴う火災により、車両二台、住宅等七棟を全焼した事例について紹介します。

　

一　事故の概要

国道五二号線を北進中の移動タンク貯蔵所(ガソリン一〇kl、灯油二kl、軽油二kl合計一四kl積載)と南進中の大型ダンプカー(一一t車、空荷)がすれ違い時にスリップし、側面衝突したため、移動タンク貯蔵所のタンクが破損し、爆発、炎上、油が流出した事故である。

　

二　火災の概要

(1)　出火日時

平成一〇年九月二一日(月)　七時四一分頃

(2)　出火場所

山梨県南巨摩郡富沢町楮根国道五二号線谷津沢橋南詰

(3)　覚知時分

七時四一分

(4)　覚知別

自己覚知

(5)　鎮圧時分

八時三〇分

(6)　鎮火時分

九時二二分

(7)　気象状況

天候　雨、風向　西南西、風速　一・三m/s、気温　二二℃、湿度　九七・一%

(8)　被害状況

ア　火災による被害

・移動タンク貯蔵所　一台

・ガソリン一〇kl、灯油二kl、軽油二kl、合計一四kl焼失及び流失

・建物全焼　七棟　合計九〇七・九九m²

・建物ぼや　一棟　〇・五四m²

・車両　乗用車一台

・その他

電線　七八m

電話線　一〇〇m

・負傷者

消火作業中熱傷　一名

交通事故による負傷一名

両名とも軽傷

イ　火災に伴う障害等

・交通障害　国道五二号線六時間通行止め

前ページ　　　目次へ　　　次ページ