日本財団 図書館


日置地区消防組合消防本部(鹿児島)

019-1.gif

 

当消防本部は、鹿児島県の西部に位置し、市来町、東市来町、伊集院町、松元町、郡山町、日吉町、吹上町の七町で構成する組合消防で、鹿児島市に隣接、西へ約二〇kmの地点の伊集院町にある。地勢の大部分は山間地帯で二級河川神之川の本流が町の中心部を北から西南部に流れ、その流域に帯状の平地が開けていて、中央部は丘陵地に囲まれた盆地帯になっている。この中心部に市街地が形成され、消防本部、官公署、工場、商店などが所在している。管内には薩摩焼きで世界に名だたる美山や日本三大砂丘のひとつと数えられる吹上浜海岸線等がある。

消防本部発足は昭和五七年一月で、現在一本部一署二分遺所、消防職員数八七名と七消防団、三五分団、九一〇名の消防団員とともに、管内面積三九二km2、人口八一、四八一人の安全と暮らしを守り日夜災害のない地域づくりに努めている。

★万全の救急体制の確保

管内は広大で救急車等の出動で遠い所では署所から現場まで二〇分を要している。昨年の救急出場件数は二、〇一九件。救急車三台で運用し、非常用救急車も一台確保、四台でも対応しきれない時は病院の救急車を二台確保し往診を依頼する等、救急車の空白時間をなくし、住民の救急要請に応えられるよう万全の体制がとられている。また、救急救命士は現在四名おり、今年度には高規格車も導入、指導医も確保され平成一三年度からの運用開始が予定されている。

★体力向上を目標に各種災害に対応

昭和五七年一〇月組合業務開始時、体力練成を目標に走ることの好きな職員一六名が非番と休み等を利用して陸上部を作り、一年三六五日体力向上を目標に走っている。九州地区消防職員駅伝大会にも毎年出場し、団体の部(一チーム七名)において四連覇を含む通算一〇回の優勝を飾っている。毎年三月東京で開催される皇居一週全国消防駅伝大会にもこの間二回出場し準優勝、第三位と健闘。また、鹿児島県下一週駅伝競争大会(五日間)にも毎年選手を送り込んでいる。この体力練成で培った技術・パワーで各種災害対策はもちろん、地域住民からも「走る広報マン」としてチームワーク作りに努め厚い信頼を受けている。

★一一九番の日の普及推進

火災予防運動の一環として、毎年一一月九日に「日置地区火災予防グランドゴルフ大会」を開催している。参加者は管内七町の代表一四チームと消防組合代表二チームの一六チーム約一〇〇名。グランドゴルフを通して、消防職員と親睦を図ると共に、初期消火訓練・応急処置訓練を行い、防火意識の高揚と一一九番の日の普及を図っている。また、打数が一一九の場合、特別賞を準備するなど、毎回盛会となり、一層の防火意識の向上が期待されている。

★火災原因調査の充実を

火災発生の場所によっては消防隊列着まで時間を要するため全焼してしまうことがあり、火災原因調査が困難を極める。火災原因調査の専門職を育成し「不明」又は「調査中」といった結果を少しでもなくしたい。そんな思いで消防大学校や県消防学校の火災原因調査課程に職員を派遣、火災調査班を作って専門的に検討し専門職の育成に取り組み、若い人を中心に新たな課題に挑戦させ、若い人の活躍の場・張り合いをもたせ人作りを奨励している。

★地域に根ざした活動

最後に脇消防長は、「職員は組合発足時からの誠実、礼儀、勇断の組合訓を胸に、住民の期待と信頼に応えるべく、一住民として、地域活動に積極的に参加しコミュニケーションを図り住民の信頼も厚い。更に心身共に健康で専門職としての腕を磨き、創意と情熱を持って第一人者になって欲しい。また、常に問題意識を持ちながら新たな発想で、高齢者対策等すべての課題に取り組んで行きたい」と結ばれた。 (飯塚文治)

 

019-2.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION