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三 市民防災センターの活用

平成九年に北海道では唯一の体験型「市民防災センター」が開館し、「自分の命は自分で守る」「自分たちの街は自分で守る」を基本に市民の防災行動力を高めています。

市民の自主防災意識は高く、年間平均約一万二千人の来館体験者数があり、開館三年目に入ってもその数は維持されており、人口に対する年間利用率は約六パーセントと、全国でも高いものとなっています。

 

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四 自主防災組織の躍進

釧路市には、釧路市連合防災推進協議会を核とした地区防災推進協議会一九団体、自衛消防組織一六隊(班)、婦人消防組織四隊(班)、幼年消防組織二一クラブ、少年消防組織一七クラブ(班)、老人消防組織二クラブ、釧路市家庭防災推進員連絡協議会を核とした家庭防災推進員部会一八部会が結成され、三、七九二名が、多彩な行事に参画し積極的に防災活動を展開し、自主防災意識の普及促進を図っています。

 

五 消防音楽隊による広報活動

音楽を通じて防火思想の普及啓発を図り、市民と消防のかけ橋となるよう、活動を続けてきた音楽隊も、二年後には創立五〇周年を迎えます。職員一四名、女性団員九名の二一二名編成による兼務音楽隊で、年間三〇回の演奏会を実施し、約七千人に及ぶ広い年齢層の市民に広報活動を行っています。

 

六 防災とボランティア週間の行事

平成七年一月に発生した阪神・淡路大震災では、住民の自主的な防災活動や災害ボランティア活動が大変重要な役割を果たし、これらの活動に対する釧路市民の関心も非常に高く、大規模災害時の各自の災害への備えや自主防災組織の活動が再認識されました。

その中で、平成一〇年度より釧路市民防災センターを会場に「防災とボランティア週間」の関連行事を実施し、多くの市民が防災体験をつうじ防災行動力を高めております。

特に冬休み期間中の小中学生を対象とした応急手当教室が全体の一〇パーセントと好評で、若い世代の関心度が強く感じられました。

催事としては、阪神・淡路大震災と釧路沖地震の写真展・ビデオ放映、防災グッズ・防炎製品の展示などを中心に、被災地での自主的なボランティア活動について認識を深めてもらうよう企画しました。

発生から五年の節目ということもあり、昨年より三割ほど多い市民が訪れましたが、貴重な経験を風化させないよう気を引き締め、災害への備えを訴え続けたいものです。

 

おわりに

今後の予防施策は、釧路市総合計画に基づき地震等の大災害時に市民が自主的防災活動を組織的に行えるよう行動力の向上を図るため、市民防災組織の育成強化を積極的にすすめながら、市民が安心して暮らせる「災害に強いまちづくり」を推進するよう努めていきます。

(小野秀美)

 

 

 

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