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おわりに

今回の事故は、高速道路建設現場での事故であり、通常道路完成までは立ち入る事のない場所で更に東消防署より遠隔地にあり、現場の状況を迅速に把握する事が困難であった。

携帯電話の普及により、現場出場途上関係者と直接通話しながらの現場状況の把握を行えば、現場到着時の対処などについてスムーズに対応できると思われる。

また、常日頃より管内における大規模な工事現場の確認等、有事の際の対応策の検討、各種災害を想定した訓練の必要性を痛感したところである。

今後も大分市消防局職員個々の危機管理体制を確立し、住民に信頼される消防を目指して取り組んでいきたい。

(野尻純男)

 

予防・広報

M七・八を体験した街の防災活動

釧路市消防本部(北海道)

 

はじめに

燃える夕映えの港と、ロマンを誘う霧の幣舞(ぬさまい)橋、悠久のときを秘めた釧路湿原に舞う丹頂など、素晴らしい景観と豊かな資源に恵まれた釧路市は札幌市、旭川市、函館市についで人口一九万四千人を有する北海道四番目の街です。

豊潤な海をもち、水産業を始め石炭鉱業・紙パルプ工業の三大基幹産業のもと、活力あるたくましい街として躍進を遂げてまいりました。

釧路市は、北緯四三度、東経一四四度に位置し、背後には釧路湿原国立公園が広がる雄大な自然を有し、湿原の保護・保全など、全世界へ向けた情報発信基地として自然や環境と共存する街づくりを進め、地域としての国際貢献にも努めております。

釧路市の面積は二二一・六km2、大阪市の面積とほぼ同じで人口密度は一km2当たり四八人となっています。道東の中核都市として自然と共有する街づくりを進めています。

 

一 釧路市の消防

釧路市民は平成五年の釧路沖地震に続き、平成六年の北海道東方沖地震と二年続けて烈震を経験、特定観測地域に指定されている当市消防はこれらの事象を教訓に、大規模災害に対応できる、万全な体制の確立に努めています。

消防の機構は、一本部三署五支署、一団本部一二分団四特設部からなり、消防職員二七八名、消防団員三三七名が一丸となって、災害から釧路市民を守り、災害に強い街づくりに努めています。

 

二 総合防災対策の推進

(一) 市民の災害対応力・防災意識の向上

市民防災センターの活用、防災イベントの実施などに努め意識の高揚を図り、更に自主防災組織の育成支援を図っています。

(二) 消防広報・火災予防体制の強化

防火教育や情報提供など、消防広報の充実強化に努め、住宅用防災機器の普及啓発などを進めています。

また事業所・石油コンビナート等の安全を確保するため、防災教育や防災訓練を実施し安全対策を図っています。

 

 

 

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