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ISO/TC 8/AGアゾレス会議概要報告

 

財団法人 日本船舶標準協会

前専務理事 小山初見

 

今回のISO/TC 8-Advisory Group会議は、前回のガラチ会議と同様日本にあってはゴールデンウイークの最中である去る5月3日と4日に、大西洋の東方よりに浮かぶアゾレス諸島で開催された。

今回のISO/TC 8-Advisory Group会議の特徴は、参加メンバーを絞ったいわば小規模な会議であったことだ。

メンバーの参加資格に関しては、昨年開催された東京会議で議題に上り、AG会議の意義(目的と使命)と参加メンバーを再確認したことの結果によるものであった。

即ち、AG会議の目的或いは使命とするところは、TC 8議長及びセクレタリーに対する支援、アドバイスを与えるということである。具体的には、TC 8としての国際標準化戦略をどのように保持すべきか、長期的或いは戦略的な計画を見つめること、ビジネスプランを見直すこと、啓蒙活動を検討すること、TC 8傘下の各SCの作業計画・日程の管理を行うこと、若しも作業計画・日程の管理が出来ていないようなSCがあれば、組換えをしたり、またはリソースの調整をしたりというような内容を扱っている。

このような重大な使命があるわけであるけれども、TC 8/AG会議には、

1] 全ての国からの該当者を必要としない。

2] AGメンバーはその人が出席出来なければ意味がない。

以上のような事について議長から説明があり、AGメンバーが決定された。

 

1. 今回のAG会議の参加者は8カ国の13人であった。

 

2. 会議開催場所が、アゾレス諸島のサン・ミグエル島という一番リスボンに近い方の島で開催されたわけであるが、大変不便なところで、ホテルは立派なホテルであったけれども、会議室がないというようなところで、タクシーやバスに乗って30分も移動した市役所の会議室を借りて会議を行わざるを得ない状況であった。

 

3. 海風が強く、曇りがちな空模様が多かったせいか、非常に寒く感じた。年間の平均気温は、16.8度と伺っていたけれども、体感温度は低いところだという印象を強くした。

 

4. 食べ物は、食材は豊富なところと思われるが、中華料理が大変美味しい所だという印象を持った。

 

5. 今回のAG会議は、大変スムーズに運び、問題になる点はなく、前向きな姿勢で対応していくことに参加メンバー全員意を同じくしているという印象であった。ティピカルなものとしては、

1] 電子化の利点を大いに採り入れていく。

2] TC 8の標準の適用は、商船のみならず、全船舶及び海洋技術に適用していく。特別な、非適用の理由のない限りそのようにしていく。

3] AGグループの通信連絡は、E−メイルで行っていくことにする。

4] オランダ ヘングスト教授から次のような提案があった。

Standardを通して、船主に寄与する、役立てる方法をどうするか。

品質の安全評価をどうするかということを20年間考えてきた。

 

 

 

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