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これらの値を基に算出したシーマージンを計画時のものと比較し、表7に示す。

 

表7 平均シーマージン

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シーマージン(SM)は風や波のない穏やかで水深の十分にある海面を船底、プロペラが正常な状態で船が直進する時に必要な馬力に対する所要馬力の増加分の割合である。本船の常用出力はSM 15%で計画されている。表7に本船の平均速力、平均馬力、平均排水量から算出したSMを示す。積荷航行時と空荷航行時のSMはともに約50%であり、計画時SMは15%であるから、計画時主機関負荷の1.33倍で運航されていることになる。

SMを評価するためには、排水量・速力・馬力関係線図を必要とするため、出力PS、排水量△、速力Vとすると△2/3/V3/PSで定義されるアドミラルティー係数によって推進馬力が推定できる。表8に計画値と実績平均値によって算出したアドミラルティー係数を示す。アドミラルティー係数の実績値は計画時の0.725〜0.775倍であり、積載運航時とバラスト運航時の算術平均をとると0.75倍となりSMの評価とほぼ同じである。

次節2.5(2)ではアドミラルティー係数を計画時の0.75倍して輸送量の評価をする。このことは、主機関出力と排水量が不変と仮定すると、アドミラルティー係数は速力の3乗に反比例するから、速力が計画時の約90%に低下する事に等しい。すなわち、同じ輸送量に対して燃料消費量を約10%多く見込むことになる。

 

表8 アドミラルティー係数

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(2) 輸送量の評価

表3の輸送量と表4の燃料消費量からトンマイルあたりの主機関の燃料消費量は2.55g/トンマイル、3動力源の燃料消費量は3.67g/トンマイルとなる。図2に外航海運の輸送トンマイルあたりの燃料消費量(シップ・アンド・オーシャン財団の報告書平成10年度「船舶排ガスの地球環境への影響と防止技術の調査報告書」)を示す。

 

 

 

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