以上のボイラ燃料消費率は、航海時間に対する平均値を示してきた。表6は主要用途別ボイラ燃料消費量および稼働時間の航海毎のデータから算出した平均燃料消費量およびそのボイラ負荷率を示す。このボイラ燃料消費量の積算値は、表5に示した補助ボイラの燃料消費量の78%を占める。残りに関しては記録がないが、浚えポンプやバラストポンプの駆動、燃料油系統や廃油タンク系統の加熱などが考えられる。貨油加熱用の燃料消費量はボイラ燃料消費量の50%以上を占め、貨油加熱を要する貨油積載の頻度はおよそ2航海に1回の割合である。揚荷時の平均消費量は60tで、揚荷燃料最小消費量35tの約2倍を消費し、その負荷率は約70%である。バターワース(タンク洗浄)は空荷航行時に行われるがあまり頻度は高くない。
2.5 輸送量と所要エネルギーの評価
(1) 主機関所要馬力と運行状況の評価
本船の平均的な運航状況は、以上述べたように、主機関平均出力は常用出力の約90%、積荷航行時と空荷航行時の速力が計画時速力の約90%、積載率約75%である。