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本船は、不定期船で、日本、東南アジア、オセアニア、中東の海域を航行し、復航といった航海は行われておらず、必ずしも出発地に戻ることで各次航海が構成されていない。63航海のうち、3航海は空荷航行の回航であり、3航海は貨油を積載したまま次期航海に移ったケースがある。一航海で積荷と揚荷それぞれ複数回寄港する場合がかなりあり、また、補油のためにだけ寄港する場合もある。

以上のとおり、本船はバラエティーに富んだ航海を行うが、以下では取扱いを簡単にするため、空荷航行と積荷航行の各々60航行の積算値から得られる平均値で一航海が構成されるものとした。積荷航行は、最初に積荷した港から最後に揚荷した港までの航行を積荷航行とした。

表2に一航海の航海モードと平均航海日数を示す。停泊は、バースに着いた状態、仮泊は沖待ちの状態である。一航海26.4日のうち航走時間が70%を占める。航走時間のうちスタンバイは全速力で前進航海をする航進状態に入っていない状態、ディテインは予定航路から離れた状態の航海時間を示す。航進時間が航走時間のうち約95%をしめるので、航行速力は航走時間を用いて算出した。積荷航行の停泊日数2.8日は最小揚荷時間の4.5倍になる。

 

表2 航海モードと平均航海日数

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2.3 輸送量

表3に一航海当たりの貨油輸送量及び航走距離など輸送に関する諸量の平均値を示す。速力は航走距離積算量を積算航走時間で除したものであり、その計画速力に対する割合は約90%である。排水量、積載量は、排水量または積載量トンマイルの積算量を航走距離積算量で除したもので、それぞれ満載排水量、載貨重量に対する割合を示した。最大積載量は、各航海中の最大積載量を平均したものである。平均積載量は約75%である。

 

表3 貨油平均輸送量

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