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2. 船舶の運航過程におけるインベントリ試解析

モデルシップを選定して、実際の運航過程並びに解撤過程におけるインベントリ試解析(ライフサイクルの各プロセスにおける、物質及びエネルギーのインプットとアウトプットの詳細な調査)を実施し、LCAの問題点及び課題を明らかにすることとした。

なお、このインベントリ試解析は、運輸省船舶技術研究所との共同研究の下に行ったものであり、本件については、本年6月23日(金)運輸省船舶技術研究所管理棟3階会議室において10時から研究発表を行うこととなっている。

 

2.1 モデルシップの運航概要

モデルシップは、表1に示すAFRAMAXといわれるクラスのタンカーである。

 

表1 タンカーの要目表

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主機関の燃料消費率は通常A重油の燃料消費率で示されるが、表1には常用出力(NOR)におけるC重油(銘柄IFO)相当の消費率で示した。なお、本報告の計算で使用する出力範囲内では燃料消費率を一定として扱った。

発電機の燃料消費率は、データを入手できなかったので、同出力クラスのディーゼル機関の燃料消費率を適用し、C重油の消費率に換算して示している。

補助ボイラ容量のデータは入手できなかったが、カーゴポンプの容量からこのクラスで通常使用されるボイラ容量を仮定した。ボイラの燃料消費率は、負荷100%に対するもので、蒸発量30t/h、蒸気圧力16kg/cm2、給水温度60℃、ボイラ効率80%として算出した。揚荷燃料最小消費量は、カーゴポンプの最大容量と載荷容積から算出できる最小揚荷時間とボイラの燃料消費率から算出したものである。

 

2.2 航海概要

本船は、就航が1991年12月10日であり、1999年12月12日現在、102次航を終え、船齢8年(2,924日)である。入手した運航データは、第35次航から102次航の内の63航海、全航海の54%のデータである。

 

 

 

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