我々は、世界のすべての規格団体からの「現有海事規格の検討」なる、継続中の作業項目(維持され更新される)を有している。この作業の仕方は、特定の部門においてすでに何を行ったかをはっきりさせるのに役立つし、またISO規格を作成するための専門家候補者についての我々の最初の一覧を手にすることができる。
いろいろなISO制作物の利用
TC8の関心事は、ISO/PAS、TS又はITAにむけられるよりもむしろ、ISO規格の時宜を得た作成にある。IMOは、ISO規格を引用することに受け入れの方向をとっているが、他の種のものはあまり受け入れられていない。それは、規制要件が正式な性状のものであるからであると信じている。完全な国際規格の明確な位置付けが要求されている。IMOは、地域又は国の規格は引用しないで、その内容から選出し、IMO自身の規格を作成するであろう。これにより、規則に代え、自主的なコンセンサスで決まった業界規格を使用する方式を排除している。それはまた、我々のIMOとISOを合わせた資源(人的及び物的)の最大限利用ということでもない。以上をとりまとめると、我々の正当なコースは、完全な国際規格作成に向けての「前進原速」である。我々は、翻訳を要しない(英語のみである)。そして、我々は、資源(人的及び物的)の適当な利用をして、完全な製品を「小品」並みの素早さで作成することができるのである。
6 ISO/TC作業計画の完成と実施に影響する要因
ISO規格について国際海事業界での信頼を保持するに当たって最も重要なことは、それがIMOの規則又は要件と食い違いを生じないことを確保するということである。安全で、環境的に健全で、費用効果の良好な製品、設置、使用、維持及び管理に必要な情報を提供することにより、規則と一致する上に役立つならば、その規格は用い得るであろう。他の主要な要素は、「市場が要求するとき、規格が作成されていること」である。完全な文書でも時宜を得ていないものは、我々の高度に競争的な業界にあっては役に立たない。考えられている地域的指令というものがあるかもしれないが、いかなる規制も、IMOが持つような影響力は海運及び造船の業界にはない。
資源(人的及び物的)の検討の際他所で述べたように、特定の専門技術は、業界又はIMOが必要とするプロジェクトにとって欠落してはいない。プロジェクトの作業に貢献しようとする上に専門技術が明らかに欠ける場合には、それを有用なものとするには何が必要かを明らかにするための追求を徹底的に行うか、又は当該作業項目を没とすることである。業界又は規定者がそれを欲しない場合は、それを行わないことである。(やってみても無駄な)演習みたいなものである。
CEN及びEUに焦点が集められていることにより欧州側の参加が低下していることは、我々の利用し得る資源(人的及び物的)に痛手となっている。我々は、CENに志向するあまりその支持を低下させている1欧州国のあることに気付いた。更なる低下は、我々の広い基盤をある程度不安定とするおそれはあるが、危殆に墜れるというほどではないであろう。欧州政府(EU)がその業界のため全世界的商機を減らそうとしない限り、海運業と造船業の国際性にかんがみ、これは重要な意味をもったものであるとは思えない。欧州の船主の中には、アジアの造船者から現に買付けている者もある。欧州牙城という態度は、そのアジアの造船者との商取引を増やすよう欧州の船主による更なる移行に拍車をかけるであろう。国際的産業においては、内水航行船を別として、地域的規格及国内の規格は、業務向上の足を引っ張る。
ISO/TC8作業計画を完成させ、かつ、実施するに当り、SC(分科委員会)運営(議長及び幹事国による)において上層の業界指導者をより多用することは有意義なことである。TC8におけるSCは、現在では大きく業界主導、業界推進となっている。
我々は、規制団体と活発かつ積極的な関係を確保し、IMOと軌を一にしている。EC指令に関しては、欧州がIMOの要件に適合することを銘記することは重要なことである。
7 ISO/TCの機構、所掌及び作業計画
このセクションは、ISO/TCの機構の概観、ISO/TC及び現在の分科委員会の所掌並びに現在及び計画されている規格化プロジェクト(その完成に向け必要とする資源(人的及び物的)を含む)の情報を示す。このセクションの目的は、事業環境及び重要関係人のニーズに関連し、提案された作業計画の適合性を明らかにすることである。規格化プロジェクトに直接責任のある機構のみを掲げてある。したがって、相互調整又は諮問のグループは、含めてない。