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IACSは、所期の目的(船級)のため船の構造上の完全さ及び機械的能力について独立の立証関係の規則及び細則を作成し、海事当局の権限の移譲の下、国際及び国内の規制文書(法定の証明関係)の関係要件に関して、証明者として奉仕する。船級の目的上、IACSは、それ自身の基準及び方法を用いる。他方、法定の証明の目的のためには、旗国政府からの権限委譲の下で通常運営される。IMOのメンバーの100を超える者(国)が、法定の作業を、IACSメンバー(国に代わりいろいろな国際条約に従って、検査を実施し、かつ、証明書を発給する者)に、委譲した。

IAPHは、世界の港湾の長、局長、その他の港湾の管理者の組織である。IAPHは、船舶/陸岸安全、船舶密売、船舶からの空気汚染、船舶バラスト水管理並びに港湾に係る潜在的影響を有するその他の海洋安全及び環境保護に係る事項等に関係している。IAPHは、そのIAPH/IMO合同船舶港湾インターフェース・グループを通して、IMOと主要な接触を保っている。

 

ISO/TC8の議長は、IAPH会議においては、ISOを代表しており、IAPHではVIPの位置を与えられている。

TC8の各分科委員会は、その所掌範囲における作業のため、自身の連係関係を設定する。この場合、ISO/TC8議長及び幹事国には連絡する。IMO、IAPH又はIACSとの分科委員会レベルでの連係は、議長と意見のすり合わせをしなければならない。これは、ISO/TC8が単一の全体的なTC8の統制のとれた状態を確保するようにとの趣旨による。

 

広がる地域的の関係

正式な関係は、CENとISOとの間にウィーン協定を通じて存在するが、海事産業部門においては、ISO/TC8(船舶及び海洋技術)とCEN300(造船)との間には、明確な協調の下に密接な関係が存在する。CEN TC300の考えは、海事産業が真に国際的であり、地域的又は国内的規格が全世界的市場からその産業(海事産業)を締め出すとの理解により、地域的規格に代え、ISO規格作成に下駄をあずけるとの意向である。TC8では、プロジェクト・リーダーを出すCENメンバー国の力を得て、TC8分科委員会においていくつかのCEN主導のものが行われている。

COPANT(パン・アメリカン規格会議)とかPASC(太平洋地域規格会議)のような他の主要地域団体と同様な関係を樹立する必要性というものが存在する。

 

1. COPANTは、23の国家規格団体(カナダからアルゼンチンまで)の代表を得ている。

COPANTは、1949年にパンアメリカン規格委員会(C PANT)として設立された。1964年に、この組織は、名称をCOPANTと改めた。COPANTの大きな役目は、その多くのメンバー国の中の国の規格団体(National Standards Bodies)を推進・統合することである。地域的規格化の過程は、国際規格の使用を基としている。したがって、ISO、IEC及びCOPANTの間の関係は、極めて重要である。1994年に協力協定が、COPANTと2つの国際規格組織のそれぞれとの間に設定された。COPANTは、国際規格の使用を広げ、かつ、推進することに同意し、ISOとIECは、国際規格の仕上げの過程において、COPANTの参加の便を計らうものとする。1997年現在1653のCOPANT Pan American Standardsは、承認されていた。ISO/TC8にとり関係のあるCOPANTの現行規格作成の焦点は、「品質保証、防火、規格の調和、環境及び用語」の分野である。

 

2. PASCは、1973年に形成され、現在では、造船に係る市場占有率において世界のリーダーの何箇国かを含む22のメンバー国を有している。当該組織は、太平洋地区の国々及び領土が特にISOとかIECのような国際規格団体へ連絡の意見を作成するときのフォーラムとしての役を果たしている。アジア・太平洋経済協力(APEC)の規格適合分科委員会(SCSC)、すなわち、APECの貿易投資委員会(CTI)の分科委員会生成に伴い、その地域の政府は、その貿易問題への関係から、規格に目をつけはじめた。PASCは、アジア・太平洋の諸政府が貿易と商売の利便となるべく地域の規格を作成しなくても済むよう、規格化の分野において、これら諸政府のニーズに応じるため造られた組織は当機関であることを、APEC/SCSCに熱心に説いた。PASCのあるメンバーは、その国の規格をISO及びIECに一致させる措置をとったが、国際規格のあるものは時代遅れで旧式であることがわかった。APECの目には、「国際規格」イコールISO及びIECの規格ということなのである。

 

同等に又は多分よりいっそう重要であることは、ISO/TC8の規格を作成するため、出発点を確立し、又は原稿を作成するため、世界のあらゆる箇所からの国の規格及び地域の規格をわれわれが使用することである。

 

 

 

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