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・国際性。海事規格は、国境を越えて使用されるであろう。装置及び材料は、認められた規格に適合する限り多くの出所から出てくる。供給者は、規格がIMOの国際規則と調和している場合、多くの分野において競争するであろう。

・規格は、製品の規格化に拍車をかける。海洋技術における急速な変化のため、製品のライフ・サイクルは短くなってきている。船主は、その投資を保護しようとする。してがって、製品に対し、適用規格への適合により大きな力を入れる。規格は、新技術に応じて発展させなければならない。規格は、進歩した技術の利用を可能とするため、詳細設計よりも、互換性及び性能に焦点が合わせられなければならない。これは、インターフェースの規格を樹立することによっても達成することができる。

・短かくなった設計サイクル。時宜を得た方法で、技術の進展を製品に取り込むため、船の設計サイクルは、短くされるであろう。現行規格の中核部分は、新技術が、ビルディング・ブロック式の方法で現存技術と組み合わせ得るよう要求される。

・電子文書の配布と維持管理。オン・ライン式でのコンピュータ・システムの利用度と利用可能性が向上してくるにつれ、我々の規格は、電子的にそれなりのものとし、見直し、調整し、かつ、更新しなければならない。

 

・品質及び生産性。規格が将来の世界にいかにうまく適合するかのビジョンの助けとするため、規格は、ISO9000シリーズの要件に適合することができる高品質で、費用効果のある製品を決めるための最高級のものでなければならない。規格は、安全かつ効果的に、競争可能な価格で製造し、設置し、使用し、維持することのできる製品を定めなければならない。規格は、特定の安全面、規格運用方法、信頼性及び維持管理可能性、並びに試験及び検査の基準の規格化を通して、環境保護を含む全体的安全性の向上を定めるものでなければならない。

 

・市場のニーズを満足させるべきである。委員会は、国際海事業界が必要とする規格についての作業をしていることを旨とすべきである。すなわち、造船者、船主、運航者及び補給者からのフィードバック(反応)を探求することである。

 

・全世界的受容。委員会の優先順位第1は、全世界的市場において競争可能な製品のための規格作成であるから、委員会活動は、この目標を反映したものでなければならない。作成される規格は、生産者及びユーザーの目に、いかなる国又はいかなる地域の作成になる規格よりむしろ「選択すべき規格」として、映るものでなければならない。(規格の繁殖を抑えるための仕事)。国際規格と国内規格及び規則(法制)との間の調整は、不断の長期努力によって積極的に追い求めなければならない。

 

・前向きの適合性。規格の改正は、数においては少なく、また規模においては狭小とする。このことは、規則上の要件において、IMOの採用を得る場合、重要なことである。

 

・時宜を得た方法での規格の作成。過程を合理化し、かつ、「作成した規格が海洋産業において現行と新規の技術を反映すること」と、「その規格が最新化されていること」とを確保すべきである。「本格的」規格と同様に「目安」としての規格を作成する必要がある。時間と時機とは、大事なポィントであるから、ある規格に対する、詳細な提案を受け取ってから1年以内に、承認された委員会規格案を手にすることが目標と考えなければならない。

 

・他の国際機関及び他のISO専門委員会との連係強化の必要。規制上の要望が国際規格において確実に達成されるよう、IMOとの連係強化をすることが必要である。他のISO専門委員会作成の規格において、海洋への適用に齟齬を生じないよう確保する必要がある。これは、改正、補正又は新規海洋業界の特別な規格の作成を通じて行う。

 

・国の参加の増加が必要。我々の活発な作業メンバーに、ヨーロッパ共同体、アジア、北アメリカ、南アメリカ、及び開発途上国を加えて拡大する必要がある。

 

5.2 ISO/TCの規定された目標を達成するための諸戦略列挙

1994年9月にノルウェーで開催されたTC8会議において、メンバーは、IMOと海事業界との間の連係組織となるための戦略構想を全会一致で承認した。これに続いて、この構想を共通のものとし、関連の目標地点と目的とをもって、TC8は、新たに記述された事例を行うのにどんな変更を必要とするかを調べるため、その現在の分科委員会及び作業グループの構成の自己検討という作業を行った。結果は次のとおりである。

 

 

 

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