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エアバス社は操縦者マニュアルには「ゴー・アラウンド・モード状態に於いては、操舵輪を大きく操作すると、危険状態になりうるという負の飛行特性がある。」との注意が報告・記述されている。その理由説明を中華航空は受けている。エアバス社の単なる注意警告の指示で済ますことの危険意識のなさと、負の特性をいつまでも残していく設計のあり方が大いに指摘されている。ヒアリハットが既に3件経験されているのにもかかわらず、確実な安全対策が実施されていなかった。

 

3) 技術における管理と人間関与の諸問題へのリスクアセスメント

コストが掛かるから、又は、安全対策は人間の資源に依存する、と言う概念は世界各地において発生した大事故の反省から変化した。即ちリスクアセスメントに基づく反復設計による許容リスクの低減手法概念が国際規格に導入され、欧米に於いては安全性対応、規制の実施に際して判断基準の重要要件となっている。

製品・システムの製作技術および使用には必ず人間が関与する。人間の負の側面を管理的・心理的なものとして捉えて、管理工学的手法にて、問題解決を実施しようと言う風潮がある。さてこれにて可能でありうるか。

製品の購入・使用する立場は自社の乗組員に安心してその使用を任せたい。規格類は最低限の取り纏めであると言うスタンスにて作られていることは経済性との関係にてよく言及され、進められているポイントである。

これら情報の不透明さが存在したままの製品設計システムのアウトプットでは、運用段階の管理だけでは安全方策が十分行き届かない。自社だけ安全方策の行き届いたシステムを作ればよいと考えがちであるが、相互に動的な運航システムにおいては安全を自社だけで構築することは合理的に不可能である。

諸事故の要因系の正確な把握・解明とその広報・周知は困難な問題であるが、適切な規格作成に際し、それらへの対策・配慮がなされることは不可欠である。

 

引用 参考文献

[001] 濱野恒雄:もんじゅ事故再論(その1)、信頼性/日本信頼性学会誌、2000-11

[002] 夏目武:エアバス墜落事故、信頼性/日本信頼性学会誌、2000-11

 

安全、リスクに関する研究関係団体、雑誌等

[ ] 日本信頼性学会誌:年8回定期発刊、TEL:03-5379-1235、HPあり、

[ ] 安全工学:年6回定期発刊、安全工学協会(http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsse3/)、実務的記事が多い。

[ ] 日本リスク研究学会:年数回定期発刊、HPあり

[ ] ヒューマンインターフェース学会:年数回定期発刊、TEL&F:075-771-3975

[ ] 電子情報通信学会、信学技法/安全性:年6回定期講演会・発刊、実務的講演

[ ] 安全技術応用研究会、TEL:03-5769-0775、格調高い、HPあり

[ ] 船舶安全研究会、2ケ月毎開催:参加自由(浜松町/西芝電機)、FAX:03-5710-4752、腰越/NIIGATA

 

 

 

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