[02] WEN 浅田浄江:「安全とリスク」をめぐる消費者意識、安全工学、VOL39、No3、1999
[03] 住友海上リスク総合研究所、後藤多美子:構造物の自然災害に対する安全性を考える。安全工学、VOL39、No3、1999
[04] 三菱総研、古屋俊輔:技術システムにおける安全目標のあり方、安全工学、VOL39、No3、1999
[05] Slovic, P,: Perception of Risk, Science, 236, 1987
[06] Rowe, W.D: An Anatomy of Risk, John Wily & Son, 1997
[07] 松田、福戸、他:単独当直の為の航海支援システムの設計と実証船による機能性評価、日本造船学会論文集187号、平12-6月
[08] Nick W. Hurst、リスクアセスメント(Human Dimension/人間の問題)、1998、訳者:花井、丸善株式会社
[09] 木下富雄:リスク学事典、P264〜229、TBSブリタニカ、
[10] 安全工学協会:安全工学―21世紀の労働安全衛生特集号、Vol.39、No.6、2000
6) リスクの社会的受容/許容判断についての影響因子 [01]の引用
リスク概念は皆が安全と認識するレベルから、皆が危険と考えるレベルまでの連続した範囲の中で、有害な影響を生じる確率がどの程度であるかを示すことである。リスクは本来客観的「評価」の対象である事を目標にしているが、意思決定における安全・危険は主観的「判断」の対象となりがちである。Starrは実際に社会に存在しているリスクの推移から、アクセプタブルリスク(リスクの受容限界)と言う概念を発表している。即ち、ある特定の行動によってさらされる事故(死亡率)は、その行動や技術が社会に受け入れられる過程に於いて徐々に減少するものの、ある一低レベルに近づくとそれ以下には低下しなくなる。リスクの低下限度が恒常化すれば、その当該技術によるリスクは社会的に受容/許容されているといえるとしている。許容リスクは時代、文化、環境、立場、専門家/一般者、年齢、男女等により変化する。自動車、薬、タバコ等利便性の高いもの、嗜好品、自己必需品は許容範囲が広い。リスクの受容は情報把握、状況判断、行動のモデルの中での状況判断に大きくかかわっている。
EC委員会は1980年、原子力と原子力以外のリスクの比較に関する報告書を発表している。この中でさまざまなリスク事例について、「専門家が受容可能である」と考えるリスクレベルと「社会のリスクの受容の状態」が下記の5つに分類して示されている。
状態1:現実的に存在するリスクが受容されている(Defacto accepted)
状態2:専門家と社会ともに受容している(Acceptableで、かつaccepted)
状態3:専門家が受容できないレベルであると判断しているが、社会は受容している(Unacceptableで、かつaccepted)
状態4:専門家が受容できないレベルであると判断しているが、社会は受容していない(Acceptableで、かつnot accepted)
状態5:専門家と社会ともに受容できないレベルであると判断している(Unacceptableで、かつnot accepted)