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附属書B図1 許容リスクとALARP

 

ALARPの概念は、定性的又は定量的なリスク目標が与えられたときに用いることができる。B.2.2では、定量的なリスク目標に対する方法を紹介する(ある特定の潜在危険に対して必要なリスク軽減を決定するための、附属書Cでは定量的な、附属書D及び附属書Eでは定性的な方法を紹介する。そこで示される各種の方法は、ALARPの概念を意志決定の過程に組み入れることができるかもしれない。)。

備考 ALARPの詳細は、附属書Fの引用文献〔4〕に示されている。

B.2.2 許容リスク目標 許容リスク目標を得ることのできる方法の一つとして、リスクによって起こり得る結果を想定列挙し、それらの許容頻度を割り振る方法がある。この結果と許容頻度との釣り合いは各利害関係団体間(例えば安全規制当局、リスクを生成する者及びリスクにさらされる者など)の協議及び合意によって図られることとなろう。

ALARPの概念を考慮して、結果と許容頻度はリスク等級によって釣り合わせることができる。附属書B表1は、結果と頻度の関係をリスク等級(I、II、III及びIV)で示した例である。附属書B表2はALARPの考え方を用いて各リスク等級を定義したものである。すなわち、四つの各リスク等級の説明は附属書B図1に基づいたものである。これらのリスク等級の定義でのリスクとは、リスク軽減措置を施しても存在するリスクである。附属書B図1との対応では、リスク等級は次のようになる。

― リスク等級Iは、受容できない領域

― リスク等級II及びIIIは、ALARP領域である。リスク等級IIは、受容できない領域からALARP領域に入るぎりぎりの領域である。

― リスク等級IVは、広く一般に受容されるリスク領域である。

それぞれの状況に応じて、また、各産業分野で、社会的、政治的及び経済的な要因などを広く考慮して、附属書B表1と同様の表が作成されることとなろう。そしてそれぞれの被害について、リスク等級化した表で頻度との釣り合いが図られることとなろう。例えば、附属書B表1の“頻繁に起こる”は、常に起こりうる事象であり年10回よりも多く起こる事象のことを指す。また、“重大な結果”とは、一人の死亡及び/又は多数の重傷者若しくは重い職業病にかかるような被害のことを指す。

 

 

 

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