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・合理化と統合

タスク・フォースは、外国造船所との熾烈な競争を克服するために、業界の合理化と統合の問題を検討した。その結果、同一地域内に立地する造船所が、効率化のために事業を互いに調整することを勧告した。タスク・フォースはまた、業界の合理化を促進するために、適切なインセンティブを検討、導入することも勧告した。

・市場の需要を刺激

タスク・フォースは一定の範囲に含まれる船舶に対して輸入税を付加するなど、各種の措置を検討した。また、船主と船舶運航者に、優遇利率での融資と、適切な課税優遇措置も提案している。

・コスト削減措置

タスク・フォースはまた、国内船の設計標準化の欠如が国内新造船コストの上昇につながっていることを認識した。従って、国内造船事業者は、設計標準化を促進するよう奨励されなければならない。

コスト削減について、タスク・フォースはさらに、新造船および修繕船活動に使用する原材料と部品に対する輸入税を、政府が全面免除することを勧告している。

 

海事産業に対する金融

海運・造船産業に提供されている各種の金融の便宜は、海事国家を志向するマレイシアの悲願にふさわしく、自国商船隊と造船業の能力拡充を狙ったものである。第1に高リスクから、第2に業界に対する理解の不足から、市中銀行の大半が船舶金融をためらっているために、金融の需給ギャップを埋める上で、Bank IndustriとEXIM Bankが重要な役割を果たしてきた。両行は優遇金利での各種融資や融資関連援助と共に、ベンチャー・キャピタル投資を通じて、この役割を全うした。

1998年12月末現在、海運各社への融資残高合計は13億リンギットを超える。

Bank Industriは資本集約的ハイテク産業を支援するために1979年に創立されたが、発足以来、造船業を発展させようとする政府の方針実現の一翼を担ってきた。同行は運転資本、資本支出の両面で融資を提供し、造船所の新造船・修繕船事業を支援し、一方、造船業インフラと設備のグレードアップ、近代化を図っている。

 

 

 

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