造船事業に利用可能な在来型の設備について簡単に説明し、船舶昇降移動装置は新造船にも修繕船にも適用できることを指摘した。
最後に、Menon氏は各国代表がジョホールのMSEを見学するよう招待した。
オーストラリア
Wavemaster International Inc.の造船技師Scott Davenport氏がペーパーを発表した。
先ず、このペーパーがIMOのHSCコードに関する造船所の一般的見解を論じたものであることを述べた。同氏は、外航船を対象とするIMOのHSCコードが、復原性、火災、救命、航海など、安全性のあらゆる側面を規制するものであることを説明した。同コードは一部の側面において問題があり、建造費、運航費を大幅に押し上げるものであるという。さらにIMOのHSCコードは見直しを必要とすると述べた。
さらに新規則の経済的コストと影響について述べ、船型にもよるがコスト増は5%〜15%に上るとされているとし、またコードの一部の側面は旅客に危険をもたらす恐れがあることを指摘した。Davenport氏は今日までの高速フェリーの安全性実績はきわめて良好であることを示し、出席者全員にIMOの討議に積極的に参加し、造船業の向上に水を差すものであることを知らせなければならないと呼び掛けた。
結論として、導入されるコードは、建造者、運航者双方にとって実際的で適切なものでなければならないと述べた。
質疑
フィリピン代表:これは単なるコメントだが、高速艇(HSC)の経済的コストについて、わが国の経験に照らして申し上げる。フィリピンではHSCは主として島嶼間の輸送に利用されている。しかしフェリーのコストは法外に高く、正にご指摘の通り、政府は運賃に補助金を支給しなければならない。わが国では輸送所要時間が短縮できるので、国内輸送にとってHSCの重要性を認識している。コスト高の問題を克服するために、政府は観光省にサービスの規制緩和を実施させた。その結果、現在では規制緩和を反映した運賃でサービスを利用できる。
サモア代表:オーストラリアはどのようにして造船業界のこういう見解を政府や立法府の議員に伝えるのか。
基本的には新規に導入された規則に対して設計を評価し、業界としての推奨事項をジュネーブのIMO会議に出席する代表に伝えて、配慮してもらう。
マレイシア代表:残念ながら5ページの写真が抜けている。
申し訳ない。私のディスクには入っているので、持っていれば直ぐにでもお見せできるのだが。